エア・ストライク | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:大轟炸
監督:シャオ・フェン
キャスト:ブルース・ウィリス/リウ・イエ/ソン・スンホン
配給:中国電影集団公司/ブルー・ボックス・インターナショナル/彩プロ
公開:2019年3月
時間:96分




ブルース・ウィリス特集の3夜目は,中国映画『エア・ストライク』。プロダクションデザイナーとしてメル・ギブソンが製作に携わったことでも話題となった作品だが,出演しているファン・ビンビンの巨額脱税問題が原因で,本国の中国国内では上映が中止。アメリカでソフト発売される際に96分に編集し全編を英語で吹き替えたバージョンが作られ,日本でもこの英語版が,シネマート新宿とシネマート心斎橋のみで1週間限定のレイトショー上映された。

日中戦争最中の1941年。日本軍の猛攻にさらされた中国軍は,圧倒的不利な状況に立たされていた。最後の砦である重慶は,度重なる空爆によって壊滅の危機。そんな中,米軍のジャック・ジョンソン大佐(ブルース・ウィリス)は,日本軍と戦うため,中国人の空戦部隊を指揮する。しかし,中国人航空兵たちは知識も経験も乏しく,最新鋭のゼロ戦を操る日本軍に到底立ち向かえる状態ではなかった。

そんな中,第22飛行隊の副隊長シュエ・ガンタウ(リウ・イエ)はジョンソン大佐から長慶までのトラックの護衛を依頼される。実はトラックには,日本軍の暗号を解読する機械が詰め込まれていて,ガンタウは,長慶まで暗号機を守る任務を任されたのだったが…。

メル・ギブソンとブルース・ウィリスのクレジットがなかったら,決して見なかっただろう作品。中国映画には『マンハント』に続いて裏切られた感。金にモノ言わせて次々にハリウッドの映画製作会社を買い取って,この作品も6500万ドルもの製作費をかけてこれか? って悲しくなる。ストーリーはとっ散らかってるし,ブルース以外の登場人物は緊迫感ゼロで,空襲で街が壊滅して初めて涙を見せる暢気な国民性は理解できない。せめて強烈な日本敵視でもあれば心を打つのに,それさえ薄い。

これはもう“映画”ではなく“巨費を投じた紙芝居”。メルとブルースに免じて★1つ足しても,この【くた★むび】では初の★2つ。


映画クタ評:★★☆☆☆


右矢印ブルース・ウィリス作品まとめ