臨場 劇場版 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:橋本一
キャスト:内野聖陽/松下由樹/渡辺大
配給:東映
公開:2012年6月
時間:129分




今夜紹介するのは,『相棒』で知られ,1987年から長年に渡り“刑事ドラマ枠”と呼ばれるテレ朝系列水曜21時枠で,2009年春・2010年春と2クール放送された人気刑事ドラマの劇場版。原作は2004年に発表された横山秀夫の警察小説『臨場』。“死者の声を根こそぎ拾う”がモットーの型破りな検視官・倉石義男の活躍が描かれる。

映画の公開は,ドラマ終了の2年後と異例。さらにこの映画,劇場公開後9年間で5回も地上波で放送されるという根強い人気作品だ。監督はドラマ版や『探偵はBARにいる』の橋本一。

警視庁刑事部鑑識課の倉石義男(内野聖陽)。歯に衣着せぬ言葉で上司にも平気で盾を突き,組織には馴染まぬ性格だが,死体の目利きにかけては他の追随を許さない敏腕検視官だ。17年前の通り魔事件で妻の雪絵(京野ことみ)を亡くしてからは,彼女の趣味を受け継ぎ,多くの植物や花を育て,金魚の面倒を見ている。そんな2010年の冬。吉祥寺で死者4名を出す凄惨な無差別通り魔事件が発生。しかし犯人の波多野(柄本佑)は精神鑑定で心神喪失と認定され,刑法第39条によって無罪となっていた。

それから2年。事件を無罪へ導いた弁護士の高村則夫(菅原大吉)と精神鑑定を行った精神科医の加古川有三(デビット伊東)が相次いで殺害される。検視に当たった倉石は,検視官心得の小坂留美(松下由樹)の気づかなかった双方の類似点を見つけ,同一犯の可能性を指摘。立原管理官(高嶋政伸)の指揮する警視庁と仲根管理官(段田安則)率いる神奈川県警の合同捜査本部が,2年前の通り魔事件の遺族に疑いの目を向ける中,死亡推定時刻に疑問を抱き,独自の捜査を進め,捜査本部と対立する倉石だったが…。

キャストにもストーリーにも派手さはないが,その分じっくりと見せてくれる。メインとなる役者たちの,ドラマ版からの過去をキチンと滲ませる演技力や,バカ笑いでなくクスっと笑わせる抜け感など,携わるスタッフの“心得た”技に溢れる1本。ドラマ版を見ていなくとも充分に楽しむことができる。

ちなみに,一ノ瀬刑事役の渡辺大は渡辺謙の実子で杏の兄。他に,高嶋政伸,柄本佑など,二世キャストが揃う。


映画クタ評:★★★★


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