十二人の死にたい子どもたち | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:堤幸彦
キャスト:杉咲花/新田真剣佑/北村匠海
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:2019年1月
時間:118分




昨夜に引き続き,堤幸彦監督の近作を紹介。今夜は『十二人の死にたい子どもたち』。どことなくオカルト臭やカルト臭の漂うタイトルだが,実は密室ミステリー。原作は,人気作家・冲方丁のベストセラー小説。演出家・劇作家として劇団“ペンギンプルペイルパイルズ”を主宰する倉持裕の映画脚本デビュー作となる。

それぞれに事情を抱え,廃病院の一室に集まった12人の未成年たち。集いの主催者サトシ(高杉真宙),いじめられっ子のケンイチ(渕野右登),ゴスロリ少女のミツエ(古川琴音),実は人気女優である謎の少女リョウコ(橋本環奈),推理好きのシンジロウ(新田真剣佑),ファザコンのメイコ(黒島結菜),高度な知性を持つアンリ(杉咲花),吃音のタカヒロ(萩原利久),学校の人気者ノブオ(北村匠海),不良のセイゴ(坂東龍汰),ギャルのマイ(吉川愛),目立つことが嫌いなユキ(竹内愛紗)。彼らの目的は集団安楽死をすることだった。

ところが12人だけのはずのその部屋には,すでに死体となった13人目(とまん)がいた。彼は何者で,なぜここにいるのか。そして一体誰が殺したのか。自分たちの中に13人目を殺した犯人がいる可能性があり,このまま安楽死すれば自分たち全員が犯人扱いされる恐れがある。計画を実行すべきか,“ゼロバン”と名付けた13人目の正体を解明すべきか。彼らはこの集いのルールである“全員一致”にのっとり,多数決をとりながら議論を進めていく。議論の中で,次第にそれぞれの死にたい理由が明らかになっていくと同時に,疑心暗鬼を募らせていく12人だったが…。

堤幸彦監督にしては珍しい密室モノ(とは言っても廃病院丸ごと1棟な密室だからデカいが)に,お得意の“不思議感”が詰め込まれている。死にたい子どもたちの12人全員が高校生の設定だが,リアル高校生は公開時17歳の竹内愛紗だけ。でも若手を代表する彼らが,ストーリーに負けない演技を見せてくれ,見る者をしっかりと夢中にさせてくれる。

何度も挿入される意味深なシーンの意味は,ラスオチとして明かされることになる。“死にたい子どもたち”を演じた若手俳優たちの今後の活躍に注目したいなと思わせてくれた1本でもあった。


映画クタ評:★★★★


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