キャスト・アウェイ | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Cast Away
監督:ロバート・ゼメキス
キャスト:トム・ハンクス/ヘレン・ハント/ニック・サーシー
配給:ドリームワークス/20世紀フォックス/UIP
公開:2001年2月
時間:144分




2夜連続でトム・ハンクス特集。数ある彼の出演作の中から今回は“ヒゲ面ハンクス”作品をセレクトしてみた。

まず今夜紹介するのは,44歳のトム・ハンクスが,飛行機事故で無人島に取り残された男の孤独な戦いの姿を演じる『キャスト・アウェイ』。物語の性格上,ストーリーの大半がトム・ハンクス1人のシーンとなる。25kgの減量に挑んだ熱演が見どころ。

監督は『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1995年・パラマウント)でもコンビを組んだロバート・ゼメキス。VFXを駆使することで有名な監督の見せどころは,やはり貨物機の墜落シーンだろうか。

1995年12月。フェデックスのシステムエンジニア,チャック・ノーランド(トム・ハンクス)は効率と生産性を上げるために分刻みの時間にこだわり世界中を飛び回っていた。テネシー州メンフィスに住むケリー・フレアーズ(ヘレン・ハント)とは長年付き合っていて,結婚を意識していた。親族と過ごすクリスマスパーティーの最中,マレーシアでのトラブル解決のため呼び出されるチャック。

大晦日には戻って一緒に過ごすとケリーに約束し,バタバタと貨物機で出発するチャック。ところが彼の乗った飛行機は悪天候のため太平洋上に墜落してしまう。なんとか救命ボートにしがみ付いて嵐に耐え,気がつくと,とある島に漂着していた。しかし,そこは動物さえもいない無人島。近くを通る船もなく,彼はたった1人で,様々な工夫を凝らしながら無人島で生活する術を身につけていく。唯一の話し相手はバレーボールのウィルソンだけだった。それから4年,チャックはついにある決断をするのだったが…。

前半は,典型的な現代人のサバイバル・ストーリー。孤島の描写にはほとんどセリフも音楽も流れない。ただ波の音だけ。なのに,見る者を釘付けにする上手さは,さすがトム・ハンクス。

そして後半が“4年浦島”となったチャックの,今度は自分を追い越していった時間との対峙パートで,ヒューマン色たっぷりに描かれていく。

主人公の失ったもの,そして得たもの,生きる意味など,シンプルだからこそリアルに伝わる部分と,モノ足りない部分が交錯し,最後に残った箱の中身も謎のままで締めくくる。そこを見る者の想像力や余韻に委ねることで,作品全体の“味わい”にしている,個人的には好きな1本だ。


映画クタ評:★★★★


右矢印ロバート・ゼメキス作品まとめ

右矢印トム・ハンクス作品まとめ