パンク侍、斬られて候 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:石井岳龍
キャスト:綾野剛/北川景子/東出昌大
配給:東映
公開:2018年6月
時間:131分




クドカン脚本作品特集6日目の今夜は,人気芥川賞作家・町田康のパンク時代小説を,宮藤官九郎の脚本,『爆裂都市/BURST CITY』(1982年・東映)『逆噴射家族』(1984年・ATG)の石井岳龍監督で映画化した『パンク侍、斬られて候』を紹介。

江戸時代。自ら“超人的剣客”と豪語する浪人・掛十之進(綾野剛)がとある街道に姿を現わすや,いきなり物乞いの老人を斬り捨てる。そして居合わせた黒和藩の藩士・長岡主馬(近藤公園)に「この者たちは,いずれこの土地に恐るべき災いをもたらす」と,新興宗教団体“腹ふり党”の脅威が迫っていることを説き,度を越した真面目で融通の利かない藩主・黒和直仁(東出昌大)の治める黒和藩への仕官と報酬を要求する。

黒和藩の出頭家老・内藤帯刀(豊川悦司)は,これを利用して自分と対立する次席家老・大浦主膳(國村隼)の失脚を目論む。ところが,教祖が捕縛された“腹ふり党”は既に解散し存在しないことを知るのだった。内藤はニセの“腹ふり党”を捏造する計画を企て,十之進に,元大幹部・茶山半郎(浅野忠信)をたきつけて,藩内で騒動を起こさせるよう命じる。しかし,これが黒和藩に阿鼻叫喚の大惨事をもたらすのだった…。

他に,ろん(北川景子),幕暮孫兵衛(染谷将太),大臼延珍(永瀬正敏),真鍋五千郎(村上淳),オサム(若葉竜也),江下レの魂次(渋川清彦)の総勢12人が繰り広げる腹の探り合い。さらに,ろんをめぐる恋の行方。風刺やパロディ満載で,奇想天外かつエネルギッシュに,全てのキャストが振り切れた演技で魅せ,笑わせてくれる。

クドカン監督作品のシュールさを愛せる人ならどハマりするし,そうでない人は「判らない」で終わってしまう,ちょっとクセのある1本かもしれない。だってこれ“時代劇”じゃなく“パンク時代劇”だもん!

主題歌は,セックス・ピストルズの『アナーキー・イン・ザ・U.K.』と,感覚ピエロの『夜のスピード』。映像と混ざり合ってパンクが暴走する。


映画クタ評:★★★★


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