コーヒーが冷めないうちに | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:塚原あゆ子
キャスト:有村架純/伊藤健太郎/波瑠
配給:東宝
公開:2018年9月
時間:116分




舞台脚本家・演出家として活躍する川口俊和の小説デビュー作で2017年には本屋大賞にノミネートされた『コーヒーが冷めないうちに』と,シリーズ続編『この嘘がばれないうちに』の2作を原作として映画化されたハートフル・ファンタジー『コーヒーが冷めないうちに』を今夜は紹介。監督は,数々のTVドラマを手がけ,この作品が映画監督デビューとなった塚原あゆ子。

時田数(有村架純)が働く喫茶店“フニクリフニクラ”には,不思議な都市伝説があった。それは,店内のある席に座ってコーヒーを注文すると,望んだ時間に戻ることができるというもの。ただし,それにはとても面倒くさいルールがった。それは,
1. 過去に戻って,どんな事をしても,現実は変わらない。
2. 過去に戻っても,喫茶店を出る事はできない。
3. 過去に戻れるのは,コーヒーをカップに注いでから,そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
4. 過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは,その先客が席を立った時だけ。
5. 過去に戻っても,この喫茶店を訪れた事のない人には会う事ができない。

というもの。

今日も不思議な噂を聞いた客がこの店を訪れる。アメリカに行ってしまった幼馴染の賀田(林遣都)とケンカ別れをしてしまった三十路直前の独身キャリアウーマン・清川二美子(波瑠)。若年性アルツハイマーに侵された妻・高竹佳代(薬師丸ひろ子)と,彼女を優しく見守る夫・房木康徳(松重豊)。故郷に妹・久美(松本若菜)を置いて,近所でスナックを営む平井八絵子(吉田羊)。過去に戻れる席にいつも座っている先客の謎の女(石田ゆり子)。そして,数に想いを寄せ始める大学生・新谷亮介(伊藤健太郎)。過去に戻れるコーヒーを唯一淹れることができる数も亮介に導かれ,心に秘めた過去と向かい合うのだったが…。

自己主張をせず物静かでありながら,それでいて目をひく有村架純の存在感が,作品全体を包み,導いていく。1杯のコーヒーが冷めるまでの,ほんの短い時間で,現在を変えることはできなくても,その人の人生は変わるのだ。4つのストーリーが,見る者を不思議に,優しく抱きしめてくれる1本。


映画クタ評:★★★★


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