南極料理人 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:沖田修一
キャスト:堺雅人/生瀬勝久/きたろう
配給:東京テアトル
公開:2009年8月
時間:125分




UDON』の紹介を書いた後,「そう言えば麺類に絡む冬っぽい作品があった!」と思い出したのがこの作品。実際に南極観測隊の調理担当としてドームふじ基地で越冬した海上保安官出身の西村淳の痛快エッセイ『面白南極料理人』を,堺雅人主演で映画化したハートフル・ストーリーを今夜は紹介。

舞台となるのは南極のドームふじ基地。海辺にある昭和基地から1000km内陸の高地にあるこの基地は,ドーム状の地形の頂部に位置し,標高は3810m。富士山と標高が近いことから“ドームふじ”と名付けられたという。1996年の年平均気温は-54.4℃。同じ年の5月14日には-79.7℃の最低気温を記録した過酷な場所に建っている。

1997年。日本からはるか1万4000kmの彼方,南極のドームふじ基地では,8人の隊員が1年半の共同生活を送っていた。西村淳(堺雅人)は隊員たちの毎日の食事を用意する調理担当。日本に残してきた妻・みゆき(西田尚美)と8歳になる娘・友花(小野花梨),そして生まれたばかりの息子・航のことが気にかかりながらも,腕によりをかけた料理で男たちの胃袋を満たしていく。

最果ての地で,雪氷学者の本さん(生瀬勝久),気象学者のタイチョー(きたろう),医療担当のドクター(豊原功補)など,個性的なメンバーたちの日々のメニューに変化をつけ,単調な生活に潤いを与えようとする西村。しかし,ペンギンやアザラシといった動物はおろか,ウイルスさえいない氷点下の自然環境の中,隊員たちの疲労とストレスはピークに達していくのだった…。

実話ベースなので,大きな事件が起きるわけではない。しかし,家族と離れた極地での生活自体がドラマだし,そこに見えてくる喜怒哀楽の人間模様が判りやすく,キッチリと描かれてゆく。作品全体を包む優しさとユーモラスさが,極限の環境を浮き彫りにし,臨場感を浮き立たせるから不思議だ。

ここまで読んで,「あれ? 麺類は?」と思った方。大丈夫! ちゃんと出てくるし,きっと“ロス”と“嬉しさ”を共感できるはず。とにかく見てのお楽しみ♪


映画クタ評:★★★★


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