名探偵コナン/から紅の恋歌 | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:Detective Conan: The Crimson Love Letter
監督:静野孔文
キャスト:高山みなみ/山崎和佳奈/小山力也
配給:東宝
公開:2017年4月
時間:112分




ちょっと気が早いが“春と言えばコナン”。22年連続で今年も4月13日から新作『ゼロの執行人』が公開される『劇場版・名探偵コナン』シリーズから,今夜は,昨年公開された『から紅の恋歌(ラブレター)』を紹介。ゲスト声優はお笑いタレントの宮川大輔と女優の吉岡里帆。監督は劇場版7作連続となる静野孔文,脚本は推理作家の大蔵崇裕が手掛けた。

テーマは百人一首。タイトルに「から紅」とあると,やはり連想するのは
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くゝるとは
という在原業平の一首だが,この歌については『ちはやふる』の紹介でも触れているので,参考にしてもらうと,さらに深く楽しめると思う。

コナン(高山みなみ)と蘭(山崎和佳奈)は,日本の百人一首会を牽引する皐月会の会長・阿知波研介(阪脩)との対談を行う小五郎(小山力也)に同行し,大阪の日売テレビを訪れていた。しかし,その日売テレビで爆破事件が発生する。突如の事態に局内が混乱する中,崩壊していくビルに,西の名探偵・服部平次(堀川りょう)と,その幼馴染・遠山和葉(宮村優子)が取り残されるが,間一髪の所で駆け付けたコナンが無事に救出する。まるでテロのような事件だが,犯行声明もなく犯人の目的もわからない不可解な状況に,コナンと平次は違和感を覚える。爆破騒動の最中,コナンたちは平次の婚約者だと言い張る競技かるたの高校生チャンピオン・大岡紅葉(ゆきのさつき)と出会う。ひょんなことから和葉は平次を懸けて紅葉と百人一首の勝負をすることになり,実力者である平次の母・静華(勝生真沙子)のもとで特訓を始める。

時を同じくして京都・嵐山の日本家屋で,皐月杯の優勝者・矢島俊弥(石川英郎)が殺される。京都府警の警部・綾小路文麿(置鮎龍太郎)の案内で現場となった部屋に通されたコナンと平次は,殺害された矢島の部屋に散らばる多数のかるた札と,テレビ画面に映る紅葉の姿を目にするのだった。大阪府警・京都府警と共に2つの事件に関係する皐月会の捜査を始めるコナンと平次。やがて灰原(林原めぐみ)の手を借り,百人一首にまつわる共通点を持つ謎が捜査線上に次々と浮かび上がってくる。2つの事件がひとつに繋がるとき,運命の歯車が加速し始めるのだった…。

舞台が大阪と京都となったからか,これまで全ての劇場版に登場していた目暮警部が初めて登場しない作品。代わりに劇場版では第7作『迷宮の十字路』(2003年・東宝)以来となる平次と和葉がメインキャストに加わった。

前年の『名探偵コナン/純黒の悪夢』がアクション寄りになっていたのと較べると,百人一首を巧みに取り込んだ推理サスペンスが秀逸。興収もシリーズ最高の68億7,000万円を記録。子供よりむしろ,大人が楽しめるシリーズとなってきた感がある。

ちなみに,「週刊少年サンデー」への原作の連載は,作者の青山剛昌が病気療養と充電のため,先月から長期休載中とか。


映画クタ評:★★★★


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