10 クローバーフィールド・レーン | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:10 Cloverfield Lane
監督:ダン・トラクテンバーグ
キャスト:メアリー・エリザベス・ウィンステッド/ジョン・グッドマン/ジョン・ギャラガー・Jr
配給:パラマウント映画/東和ピクチャーズ
公開:2016年6月
時間:103分




大ヒットした『クローバーフィールド/HAKAISHA』の8年後に公開された“クローバーフィールド”の名を冠するサスペンス&SF映画。物語的に『HAKAISHA』と直接的な繋がりはないが,プロデューサーのJ・J・エイブラムスは「血のつながった映画」と表現し,精神的続編であるとしている。

服飾デザイナー志望のミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)はある日,婚約者のベンと喧嘩し,車を走らせていた。ルイジアナの森と畑が広がる地方に差し掛かると,カーラジオから南部海岸一帯が原因不明の停電に見舞われているというニュースが流れる。その直後,大きな衝撃と共にミシェルの車は追突され,転落する事故に遭う。

目覚めたミシェルは,右足に大怪我を負い治療を受けた状態で,見知らぬ地下室のベッドに手錠で拘束されていることに驚く。時刻は丸1日経った月曜の午後6時29分。間もなく部屋に入って来た初老の大男ハワード(ジョン・グッドマン)が,そこがレイクチャールズから65km地点にある自分の農場の地下シェルターで「外の世界は何者かに攻撃され,有毒物質で汚染されている」と説明する。地下にはもう1人,腕を怪我した若い男エメット(ジョン・ギャラガー・Jr)がいた。疑いを抱きつつも,ひとまず彼らと共同生活を送りながら脱出のチャンスをうかがうミシェルだったが…。

『HAKAISHA』とは,アプローチも見せ方も全く異なるのに,確かに“血のつながり”というか“同質の薫り”が漂う。ハワードは命の恩人ではなく,監禁目的のサイコパスなのでは? という疑惑を膨らます前半から,真実と嘘,不審と恐怖を見る者に共有させ,物語に取り込んで離さない。そして意外を層状にしたクライマックスへと導いてゆく。

さて,来年2月の全米公開を控えた『クローバーフィールド』シリーズの第3弾は,国際宇宙ステーションが舞台。加速器の実験事故で突然地球が消え去ってしまったことに気づいたアメリカの宇宙飛行士達。その目の前に宇宙船が現われ,生き残りをかけて戦うというSFサバイバルストーリーとなるとか。日本公開が待ち遠しい。