清須会議 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:三谷幸喜
キャスト:役所広司/大泉洋/小日向文世
配給:東宝
公開:2013年11月
時間:138分




大河ドラマ『真田丸』を見ながら,このコーナーではまだ三谷作品を紹介していなかったことに気づいた。

舞台,TVドラマ,映画と様々なジャンルでヒット作を連発し続ける三谷幸喜。彼の作品の魅力は,シリアスな中にある可笑しさと,喜劇の中にある切なさ。しばしば批評の対象となるオールスターキャストだが,実力のある役者だからこそ,いかつい人の見せるコミカルな部分や,賑やかな人に一瞬浮かぶ憂いを自然に表現できる。そうして演じられる身近に居そうな様々のキャラに,見る者は感情移入し,映像にはないその役柄のドラマまでも膨らますことができる。根っからの悪人が登場せず,最後には「人間っていいな」とほんわか幸せな気分にさせられる。

そんな三谷作品から,今夜は監督自ら17年ぶりに書き下ろした原作小説を映画化した『清須会議』を紹介♪

天正10年(1582年)。天下統一を目前にした織田信長(篠井英介)が,本能寺の変で命を落とす。長男の忠信(中村勘九郎)も討ち死にし,にわかに織田家の後継争いが勃発する。筆頭家老・柴田勝家(役所広司)と明智討伐の功労者・羽柴秀吉(大泉洋)が後見に名乗りを上げ,それぞれ三男の信孝(坂東巳之助)と次男の信雄(妻夫木聡)を推して激しく対立する。そんな中,2人が共に秘かな思いを寄せるお市様(鈴木京香)は,秀吉への恨みを晴らすべく勝家に加勢。一方の秀吉は軍師・黒田官兵衛(寺島進)を使って様々な計略を巡らせてゆく。互いに一歩も引かぬまま,いよいよ決戦の清須会議へと臨む勝家と秀吉だったが…。

その後の歴史を動かした,5日間に及ぶ“清須会議”での,柴田勝家,羽柴秀吉,丹羽長秀(小日向文世),池田恒興(佐藤浩市)の4人の駆け引きがを中心に,その心理戦に巻き込まれる人々の悲喜こもごもの人間模様が飽きさせない。

織田の血筋は鼻が高かったという史実に基づいて,信長の子供たち3人が特殊メイクで鼻を高くしたり,実際に残っている肖像画をもとに,ちょんまげの月代(髪のない部分)が多くなっていたり,秀吉の妻・寧(中谷美紀)が太い眉で弾けて“くつわ踊り”を披露したり,お市様や松姫(剛力彩芽)の丸眉でお歯黒など,視覚的にこだわったキャラのインパクトも見事。

出演は他に,松山ケンイチ,伊勢谷友介,染谷将太,戸田恵子,さらに『ステキな金縛り』(2011年・東宝)からワープしてきた西田敏行演じる更科六兵衛など。出番の少ない人もいるので見落とさないように。


映画クタ評:★★★★


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