マネー・ショート 華麗なる大逆転 | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:The Big Short
監督:アダム・マッケイ
キャスト:クリスチャン・ベール/スティーヴ・カレル/ライアン・ゴズリング
配給:パラマウント映画/東和ピクチャーズ
公開:2016年3月
時間:130分




ブラッド・ピット主演の『マネーボール』(2011年・コロンビア)原作者でもあるマイケル・ルイスのベストセラー・ノンフィクション『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』を映画化した社会派金融群像ドラマ。サブプライム・ローンの破綻を引き金としたリーマンショックの舞台裏で,デタラメな錬金システムを編み出し,バブルに浮かれるウォール街の矛盾を見抜き,バブルの崩壊に賭ける世紀の大バクチで巨万の富を手にした4人の男たちの戦いの行方がスリリングに描かれる。アカデミー賞では脚色賞を受賞した。

原題の『The Big Short』とは,直訳すると「大いなる売り」。shortは「短い」「不足」じゃなく,投資の世界では「売り」の意味。ちなみに,longも「長い」じゃなく「買い」とか「株の保有」を指す言葉。で,邦題の『マネー・ショート』って何? 不明だけど,語感とブラピ繋がりで『マネーボール(Moneyball)』と『The Big Short』を繋いじゃったとか…?

2005年。風変わりな金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベール)は,格付けの高い不動産抵当証券に信用力が低いはずのサブプライム・ローンが組み込まれていることに気づき,破綻は時間の問題だと見抜く。だが,好景気に沸くウォール街で彼の予測に真剣に耳を傾ける者など一人もいなかった。そこでマイケルは“クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)”という金融取引で,バブル崩壊の際に巨額の保険金が入る契約を投資銀行と結ぶ。同じ頃,若き銀行家ジャレッド(ライアン・ゴズリング)やヘッジファンド・マネージャーのマーク(スティーヴ・カレル),引退した伝説のトレーダーのベン(ブラッド・ピット)もまた,バブル崩壊の足音を敏感に察知し,ウォール街を出し抜こうと行動を開始するが…。

ブラピがお目当てな人も,クリスチャン・ベールを観たい人も,それぞれの出番は単純に割り算で4分の1。ハッキリ言って,株と英語をカジったことのある人以外には,ウルサいだけの全くつまらない映画かもしれない。逆に,その2つをチョッと理解してると,とてつもなく興味深い作品だし,シーン途中の解説モノローグも,切り替えやテンポの巧みさもクスっとしながら楽しめる。

普通は勝ち負けしかない投資の世界。けれどこのリーマンショックには加害者と被害者が居ること,そしてそれは今に繋がる危機をはらんでいることが,実は結構判りやすく提示されてゆく。映画化されたのが“今”というのも,意図的なメッセージに思えてくる。

ただ,娯楽色を期待していると,淡白なエンディングにスカされた気分になる。まぁ,加害者と被害者双方への配慮だと見るべきか。


映画クタ評:★★★★


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