民法第26条

不在者が管理人を置いた場合において、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、管理人を改任することができる。

 

不在者の置いた管理人がいるときは、その者に不在者の財産を管理させるのが適当です。

というのは、管理人は、不在者の信任を得て管理を委任されたのだからです。

 

それにもかかわらず、本条においては、委任管理人を改任できると規定しています。

これは、生死不明の不在者は、管理人に対して、十分な監督をなしえないからです。

つまりは、管理が失当となる可能性があるためで、不在者のために、家庭裁判所が後見的立場から介入するものです。

 

不在者のための後見的措置とはいえ、その生死がわからない以上、実際には、結局間接的ながら、不在者の財産の相続人ならびに債権者等のためにも、機能することになるでしょう。

 

委任管理人の改任には、利害関係人または検察官の請求を、必要とします。

家庭裁判所が、職権で改任することはできません。

なお、家庭裁判所は、これを改任せずに監督することも可能です(民法第27条2項・28条)。

 

なお、不在者の、財産の管理に関する処分の審判事件の管轄は、不在者の従来の住所地又は居住地を管轄する家庭裁判所の、管轄に属すると規定されています(家事事件手続法第145条)。