RayflowerTOUR 2022-2023"Snowdrop"2022.11.15
@Electric Lady Land
Rayflowerのライブに行ってきました。
秋冬はRayflowerがツアーをすることが
恒例となっていたので、
日常化していた
非日常が戻ってきた感がある。
Snowdropツアーは全7公演で、
この日は2日目。
初日の埼玉公演はsold out。
埼玉はこれまでの全国ツアーでも
初日になることが多くて、
毎回完売している。
ツアータイトルに花の名前を付けるのは
初めてかな。
スノードロップは耐寒性が強く、
春の到来を告げる花。
ツアータイトルのロゴタイプとともに
咲いていた。
無観客ライブ『Remote Flower』では
蓮の花がロゴマークに使われていて、
そのデザインも素敵だった。
春にもライブに行けたから
少し久しぶりなだけだけど、
コロナ再燃もあり得るから
これまでとは違う感覚。
今秋は予定が確定しているから
やり通してくれるはずだけど、
その次があるかどうかは
誰にもわからない。
マスク着用で声出し禁止、
入り口では体温測定とアルコール消毒。
ヘドバンもタオル回しもできないけれど、
ツアーの本数が増えているところに
前進を感じる。
整理番号が2番違いだったので
さんと並んで見れた。
センター3列目で見たのかな。
Sakuraさんのドラムが
よく見えた。
ドラムは見える時に
いっぱい見ておこうと思う。
ある程度番号が詰んでくると
Sakuraさんは頭すら見えなくなるから。
1曲目から当然のようには
のめり込めなくて、
周囲の熱気に反して傍観する。
『Border Line』は
イントロから拳で応えるのだけど、
夢じゃないのを確認してるんだろうか。
なんかそういう癖がついてしまった。
これはコロナ禍になるずっと前から。
2曲目は
『憂いのFUNNY MAN』と
初っ端から飛ばしてくる。
このあたりでやっと
(Rayflowerのライブだ…)
という感覚になる(遅)。
ツアータイトルコールは
ファンとの掛け合いの場だったけど、
それができなくなった。
春のツアーではYUKIさんが
コール返しをしてくれたけど、
この日はなかった。
今ツアーの略称は『スノドロ』でいいのか
わからなかった
都さんのキーボードソロが始まると
『イニシエ』が始まるのかなと思うけど、
この日は違った。
何の曲のintroduction、
という始まり方はしなくて
一つの独立した曲を奏でていく。
綺麗な曲で
ずっと聴いていたくなる。
すると終盤で
『Garbera』につながる
コードへ導かれた。
ライブで聴く『Garbera』は
聴かせたいのか暴れさせたいのか
どっちなんだろうと思われて
少し苦手だった。
美しさと激しさの同居を
ライブで体感するのは眩しすぎるというのか。
でもこの日は迷いなく聴けた。
聴き入りたくても
サビではそうさせてくれないジレンマを
感じていたのだけど
わたしだけかな~
今日はすっと入っていけた。
この日の発見は
『哀しみのリフレイン』のドラムが
めちゃめちゃかっこいいことだった。
いや再発見というのか。
これまで何度も
ライブで聴いてきたのに
このかっこよさに
今まで気づかなかったなんて
どういうこと……
自分でもびっくり
曲の放つメッセージを
受け取ることが優先されて
ドラムまで気が回らなかったのかな。
たぶん
随所に静動の様々な技巧が
施されていて、
(::カッケぇ……)
と内心震えていた。
呼吸するようなシンバル使いは
職人技で、
Sakuraさんのドラムだと思った。
シャープでパワフル。
また前で見たい。
『S.O.S ~沈黙のスカーレット~』の
浮遊感も好きだ。
これはフレットレスベースによる
効果が大きいな。
どこの会場でも
この曲を聴く間わたしは
深い海の底で佇んでいる。
そのように感じる照明を
演出されることが多いのかも。
他にはない独特の曲なので、
この奥行きと深さは
生で体験すると
音源では物足りなくなる。
上手側のステージには
YUKIさんがギターを弾く高さに合わせて
アコースティックギターが設置される。
この曲はエレキとアコギの2本を使うので、
アコギを弾く間YUKIさんは
エレキはストラップを利用して
背後に回す。
その転換を見るのも好きだな。
Sakuraさんのリズムの上に
それぞれの音が重なっていく。
この曲は特殊な変拍子で
細かくてすごく難しいので、
考えないで
音に体を預けている。
するといつのまにか自然に
リズムに乗って
メロディーに乗っている。
『S.O.S』は、
アコギも聴きどころ。
フライングVを背負い、
頭部を低くして
硬い弦を一心に弾くYUKIさん。
フレットレスベースのほうが
響きが大きいので
耳を凝らさないと聴こえないのだけど、
アルペジオが美しくて。
これもまた
深海の静かな水や
かすかに差し込む光の動きを
想わせる気がする。
この日はトラブル祭りだったなぁ。
YUKIさんは弦を切ったそうだ。
見たことのないフライングVを
弾いていると思ったら、
サブギターだった。
小さなグレーの水玉模様がボディにあって、
その縁取りに淡いピンクが使われていた。
アームが付いていなかったので
歪ませるところは
ボディを叩いて変化をつけていた。
YUKIさんは、
『S.O.S』の演奏に入る前に、
セッティングされた
アコギの高さを微調整していた。
この時のサブギターの高さにも
違和感があったよう。
「ちょっと位置が高い」
と言うYUKIさんに
「知るか」
と返していた田澤くんだけど、
自分もアコギを弾くようになって
分かったと、
数ミリの違いで感じる弾きにくさを
説明してくれる。
服の厚さによってもギターの高さは
変わってくるという、
微細な感覚のお話。
その流れで
「ギターを高い位置で弾くのは
僕はかっこいいとは思っていないので、
低い位置で弾くことにこだわってて。
だからこの辺は捨ててる」
って
ハイポジションを指して
笑顔で言うと、
「それもこだわり。
それもその人の強さ、覚悟」
って、
田澤くんが後押しする。
ストラップを長めにして
ギターを低く構えても、
ハイポジションを押さえる時は
膝の上にボディを置いて
「ずるして弾く」と
その動作をやって見せるYUKIさん。
でもいつも余裕で押さえてるよね。
そのあとSakuraさんにトラブルが。
ドラムセットにスタッフの方が駆け寄る。
暗転したステージのまま1、2分経過して、
何かを確認してか確信してか
田澤くんが話し始めた。
「はいただいまご存じのように
ドラムがトラブっております」
しばらく時間がかかりそう。
それを察すると
自然な流れでの『紅』が始まった
トラブルが発生すると聴けるという、
マイナス事象をプラスに変換する
お楽しみを作ってくれたRayflower。
YUKIさんの弾く『紅』のアルペジオで
田澤くんが歌い終わるところで
ドラムが復活した。
間髪入れずに『彩戯心』に変わる。
えぇぇぇ
何事もなかったように
本編に戻った。
あとのMCで。
「よぉ入れたな!」
「結成して1、2年では
あの入り方はできなかった」
と、
YUKIさんを称える田澤くんと、
ほくほく笑顔のYUKIさんがいた。
バンドの結束力と、
その意思を瞬時に読み取ったYUKIさんに
感動した。
都さんは『It's a beautiful day』で
キーボードが鳴らなくなって、
田澤くんがキーボードのパートを
歌っていた。
それは長い時間ではなかったので、
別の鍵盤や音で
対応されたと思う。
これまで大小
様々なトラブルに遭遇しても、
知識と経験でクリアしてきたし、
その過程まで楽しんでいた。
その精神性の高さもすごいなぁって
思っている。
田澤くんには、MCの合間に
北川さん※がステージに現れて
マイクケーブルを直す
メンテナンスの時間が
設けられる。
※偉大なテックのスタッフさん
ステージの激しさを物語るエピソードなのだけど、
いつものやり方ではねじれが直らなくて、
あの北川さんがマイクを落としていた。
らちが明かないので早々にマイクを床に置いて
ケーブルの絡まりをほぐす。
その様子を見て
「左に回る癖があるんです」
と話す田澤くん。
「でも人の体は左に回りやすいように
作られているんです。
陸上競技場のトラックは左回り。
これが右回りだったら走りにくい」
って言われて
納得する花キュー
IKUOさんはトラブルなし。
楽屋でトラブルの話を
していたところだったと
切り出したのは
IKUOさんだったかな。
「最近トラブルないね」
「トラブルはいつもIKUOさんだった」って
話していたそう。
ドラムトラブルの時に
「これは『紅』をやるんじゃないですか」
と言い出したのもIKUOさんだった、
という絶好調ぶり
過去のツアーでは
ベースの音が鳴らなくなることがよくあった。
すぐ回復する時もあれば
時間を要する時もあって、
ローディー君を呼んで修復タイムに入る。
その間、
観客を心配させたり
退屈させたりしてはいけないと、
メンバーがベース抜きで
音を出してくれていたのが
『紅』に定着していった。
エフェクターの接続に
課題があるみたいだったけど、
エフェクトを切って
演奏することはなかったな。
それはRayflowerの世界観を
損なわないために。
当時、ツアーの合間に
楽器店を回ったりして
問題の解決に奔走されていた。
それからベーストラブルは
ぴたっと収まった。
『紅』は
そんなIKUOさんを助けるために
メンバーが始めた
愛ある余興だと思うから、
たまには聴きたいかな。
『Words Of The Wise Man~時の贈り物~』
を歌う前に、
「誰かのためにとか、
誰かの励みになろうとか、
そんな大層なことを思って
書いた詩ではないんですが」
と話していた田澤くん。
だけど実際に、
この曲に励まされている人は
とても多い。
わたしもその一人。
とても実直な詩だと思う。
等身大で、身近で。
先人たちへの尊敬の念も
自分を強くさせてくれる。
時代も世代も国籍も無関係に、
わたしたちは前を向くために
思い合っているんじゃないかと、
そう思われて。
いつの時代も人の本質は
変わらないのだろうね。
この曲を聴いた日に
書いたブログがある。
今読むと、この時期のわたし、
かなり病んでいる…。
Words Of The Wise Man ~時の贈り物~ / Rayflower | Nurse a plan
(ฅ´ω`ฅ)ෆ 楽しかったぁ
— リリィ𓅪 (@lilytune) November 15, 2022
本当に楽しかった
演奏もMCも全開で
わたしは声援が送れないことも
ヘドバンができないことも
特に苦痛ではないタイプなので、
しっかり楽しめていたのだけど。
ステージから見る光景が
マスクに覆われた笑顔なのは
これまでと明らかに異なる点。
メンバーがマスクをしてライブをしたら
きっと同じことを思う。
「規制があるライブで、声も聞きたいけど、
それより
マスクのないみんなの表情が見たい」
最後にそう言った田澤くん。
きっと
ライブが楽しければ楽しかっただけ
そう思う。
規制は徐々になくなっていく。
まだ手放しでは喜べないけれど、
マスクなしで
みんなで笑い合える日は
遠くない。
楽しいステージを
ありがとうございました。
わたしはただただ楽しくて
とても幸せでした。
大阪公演のブログはこちら
Snowdrop 2022.11.16 | Nurse a plan