客席内携帯・スマホ使用不可公演 | 桂慶治朗のブログ

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上方の落語家、桂慶治朗のブログです。色々更新しております。落語会のご案内やそのとき思ったことなど諸々も。
よろしければ、お付き合いください。


[記事要約]

「桂慶治朗十二ヶ月奮闘落語会」は、

客席内携帯電話・スマホ使用不可公演です。

客席にお入りいただく際は、必ずオフに。

でなければ客席へは入れません。

開演前の時間つぶしに、

8ページくらいの内容量の

パンフレットをお配りします。

是非、開演まで、

ゆったりとした気持ちでお待ちください。




昨今、

劇場や演芸場での

携帯電話(スマホ)マナーについて

議論が紛糾しています。


公演中に携帯が鳴り、

公演、鑑賞の妨げになってしまったと。

(ぶち壊しになったと)


私自身は今までに自分の会の中で、

落語の最中に携帯が鳴って

噺の雰囲気を取り返しのつかない

ことにされてしまった、

という経験はありません。


しかし、

SNSではよく聞きますし、

実際に人がそうなった現場を

直接見たこともあります。


この問題を解決するために、

色んな提案、対策が出てきています。


私も一つ。


(こういうことの根本的な原因や理由を

分析したり考えたりするの、

結構好きなんです)


一つ一つ見ていきたいんですが、


まず客席内で携帯電話

(以後携帯)(スマホは割愛)

の電源を切らない人はなぜ切らないか。


①切る必要がないと思っている

②切る必要を知らない

③切るのを忘れている


ほぼこの三つの内のどれかですね。


①は悲しいですが、

結構な割合でいらっしゃると思います。

私も、ライブパフォーマンス鑑賞では

さすがに絶対に切りますが、

映画館だと甘くなってたと自戒してます。


ですから、気持ちはわかります。

マナーモードがありますので。

「マナーモードでも、

近くの人は気になるよ!」

と言いましても、この気になる

個人差が大きいと思います。


また人は失敗の経験がない限り、

「鳴るかもしれない」

より

「自分は大丈夫」の思いも

強くなりそうです。


鳴らしてもどこ吹く風の人も

きっといらっしゃるでしょう。


②は

落語会によってはアナウンスが

無い場合もありますし、

あっても聞き逃される方も

いらっしゃいます。

(後から入って来られる方なども)


③も必ずいらっしゃいますね。

電気のスイッチくらいすぐに

ONOFFができたらいいんですが、

なんせ今の携帯(とくにスマホ)

切るのには時間がかかるし、

切れたかどうか、

慣れてない人にはわかりにくい。

切ったつもりが

逆に入れてた、

という人もいるでしょう。

あと、

普通に開演ギリギリまで触ってて

忘れてしまったり。


そもそもが普段、

普通に生活していたら、

電源を切る機会て

あんまりありませんよね。


ちなみに私は、

だからなのか、

携帯のアップデートやら

不具合解消以外で

電源を切るのて

なんか抵抗あるんです。

他にも無意識でそういう人

いらっしゃるかな?


しかし、


公演中はやはり、

電源は切ってもらわないと。


ただ、一つ思っているのは、

携帯のせいで

ぶち壊しになってしまったとき、

ただただ強い言葉で怒っても

解決はしないのではないかと。


もちろん、

お怒りはごもっともです。

怒ってしかるべきです。

バカヤローこのヤロー。


ただ、

①の人はともかく、

②や③の人が

こっぴどく怒られたり、

ひどい非難を受けたりするのは、

ちょっと可哀想だなぁと。


決してその人たちも、

公演の邪魔をしたかったわけでは

ないと思うので。

怒られて、それで

反省次から気をつけよう

ならいいんですが、

それで傷つかれて

今後の鑑賞をやめてしまわれるのは


また、そこまで行かなくても、

鳴らした本人はそれで次から

気をつけるかもしれませんが、

他の人はそうはいかないのでは

ないでしょうか。


思うに、

人の意識、意思の強さに頼るのでは

限界がある、しかもその限界は

かなり低いところにあるのではないか。


大きな劇場のように

電波遮断できる装置が、

全ての会場にあれば、

半分くらいはこの問題も

解決するんですが。

(それでもアラームの問題が)


そこで根本から考えてみました。

客席でも携帯を触れる環境

これがそもそも良くないのでは。


聞くところによると、

海外ミュージシャンの公演などは、

録画録音を徹底して禁止するために、

入場時にかなり厳しいチェック・管理を

されるそうですね。


もちろん、

落語会にそこまでのことはできませんが、

これくらいのことはできるかなと。


[客席内携帯電話

スマートフォン使用不可公演]


客席内に入る際に、

必ず携帯の電源を切っていただきます。

電源をオフにしたことを

確認させていただいて、

初めて入っていただける形に。


そして開演前であろうと中入りだろうと、

通話やその他の操作については、

必ずロビーまたは会場外で行っていただく。


携帯電源オフのため、

本気で取り組む、、、、

というワケではないんですが、

実験的に

こういう形で、

ちゃんとお客様みなさんが、

電源を切ってくださったと

わかるようにするのはどうかなと。


もちろん、この方法にも

異論、問題はあるかと思います。


まずそもそも、なぜ開演前に、

客席内で携帯を触るのでしょう。


恐らく

時間つぶしが一番の理由ですよね。


「携帯の電源切らされたら、

開演までどう過ごせばいいんだ?」


映画館であれば、

映画予告やCMが流れるんですが、

落語会はほぼBGMだけです。

どないして過ごせば。


そんなお声を考えて、

こういうものを会場でお配りします。


特製パンフレットです。

(こちらは仮のイメージ画像です。)


普段の落語会なら

このような一枚の紙を半分に折って、

表紙+中身2ページ

というものですが、

表紙+8ページくらいの内容量にして、

来場者にお配りします。

中身は……

1.コラム(ブログ記事)

2.プチ新作のあらすじ

3.なぞかけなどのクイズ

4.用語解説

etc…

を予定しております。

クイズでは、

解答用紙もお配りし、

全問正解者には景品を(予定)


こちらをご覧いただいて、

少しでも開演までの

時間つぶしになれば。


時間つぶし


この問題をしっかり考えてみて、

改めて思います。


その昔、

携帯なんか持っていなかった時代、

会場に来ると、


公演がはじまる、

映画がはじまる、

それまでの時間すら、

ワクワクして楽しかったなと。


落語というものは、

まことアナログな芸です。

刺激の弱いコンテンツです。

でも、弱いからといって、

魅力がないワケではありませんし、

持って行き方で、

それを最大限に引き出すこともできます。


せっかく落語会にお越しいただいたなら

最大限に楽しんでいただきたいです。


是非、会場に来られたら、

そこからもう、


心穏やかにして

嫌なことを忘れて

想像を膨らませて


落語の世界に浸かる準備を

はじめてみてください。


いつもよりも少し、

幸福感が増すかもしれませんよ。


慶治朗





多分最初は色々ご面倒をおかけするかと

思います。何卒、何卒、

ご協力のほど、よろしくお願い致します。