大橋一樹のブログ
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守乱 自滅 10失点

6回裏無死一塁、中村の中飛を多村がエラー(撮影 大泉謙也) 中上の写真は2回裏無死、中村の打球をはじいた松田(撮影 冨永豊)

6回裏無死一塁、中村の中飛を多村がエラー(撮影 大泉謙也) 中上の写真は2回裏無死、中村の打球をはじいた松田(撮影 冨永豊)

 9回1死から2点を奪い返したが、焼け石に水だった。柴原が中飛に倒れ、ゲームセットの声を聞くと、王監督はあきれ顔で引き揚げた。「10点は追いつけないよ」。再び連勝街道をばく進するはずだった王ホークスが、守備のミスから自滅した。

 初回の先頭打者からつまずいた。片岡の打球は左中間からややセンターよりの飛球。多村、井手はともに落下地点まで追いついたが、一瞬の譲り合いが命取りになった。多村が「レフトのフォローに入ったつもりだった」と言えば、井手は「微妙な位置だったので…。僕がいけなかった」。最後は井手が捕球を試みたが、打球はグラブの先を抜けてポトリと落ちた。

 記録は三塁打となったが、「消極的なプレーなだけに悔いが残る」と井出外野守備走塁コーチ。頭に血が上ったスタンドリッジは、続く栗山にあっさり中犠飛を打たれ同点。4番・ブラゼルには初球が外寄りに甘く入ってソロ被弾を喫した。

 同点とした直後の2回は松田の失策と3四死球で3失点。カウント2-3が続き、パ・リーグ歴代3番目となる1イニング58球の不名誉な記録も打ち立てた。

 「バッドデー、バッドボール。早く忘れて明日の朝になればいいのに」と開き直ったスタンドリッジに、杉本投手コーチは「制球が悪すぎる。(6回4失点の前回と)同じことの繰り返し」とピシャリ。「今後のことは分からない」と、ローテ白紙もにおわし、猛省を促した。

 オープン戦9イニング無失点で今季初登板の森福もミスの連鎖を抑えきれない。4回無死一、二塁の場面に投入されたが、いきなり2者連続四球の乱調。守りのリズムも乱れ、盗塁を刺そうと慌てた田上がパスボールを犯し失点につながるおまけまでついた。

 今季初黒星の26日・ロッテ戦は走塁ミスが重なった。「今年のうちはミスと一緒に戦わないと」。王監督は良い意味での開き直りを強調したが、同じことの繰り返しではV奪回が遠のきかねない。

 きょう30日は大場が先発。ミスの連鎖だけは禁物だ。早急に守備を立て直し2戦連続完封をアシストする。 (向吉三郎)

杉内 お待たせ!! 初白星

ボールの判定に苦笑いする杉内

ボールの判定に苦笑いする杉内

 開幕戦から8日後。杉内俊哉(27)が、お待たせの今季初勝利をつかんだ。8回6安打2失点。131球を費やす粘投となったが、不安定だった中盤までとは一転、7回に川崎宗則(26)の右前適時打で勝ち越してからの2イニングは本来の姿を取り戻した。チームはこれで6勝のうち5勝が1点差勝利と抜群の強さ。左腕エースともども、白星街道を突っ走るぞ!

 この1点で大丈夫。そんなエースの責任感が、杉内の投げ込むボールに宿っていた。川崎の右前適時打で1点を勝ち越した7回だ。先頭の江藤を内角直球で見逃し三振に切った。さらに細川は2球、松坂は3球で中飛に抑えるテンポいい投球。それまでの不安定な投球が、まさに一変した。

 1番片岡から始まった8回も2三振を奪って3人で締めた。「(球が)荒れて苦しかった。アウトコースが決まらなかったですからね。でも、最後だけは、ちゃんとした投球をしようと思いました」。左手でこぶしを握ってマウンドを小走りで駆け降りると、9回をニコースキーに託して今季初勝利をつかんだ。

 ベストには程遠かった。「よそ行きの投球をしていたね。安全運転しすぎ」と杉本投手コーチ。2回には無死満塁とされ、1死から細川の中犠飛。6回にはブラゼルに直球勝負を挑み、141キロを右翼中段に運ばれた。それでも、粘り強く同点まででくい止めた。

 背景に開幕投手のプライドと責任感がある。報道陣には「開幕? 興味ありません」とはぐらかしていたが、周囲には「おれ、開幕かな」と漏らし、準備を進めていた。開幕から1年間フルに投げ通すため、食事の改善に着手。「体重が増えやすいタイプ」と自覚するだけに、夜食をやめ、大好きな焼き肉も減らして体重を85キロから81キロに落とした。

 言動も変わった。「自分はカズミさんと同じことはできない。背中で引っ張っていきたい」と言いながら、オープン戦で結果が出なかった大場には「気楽にやればいいよ」と声をかけた。完全主義者が、この日の登板前も「内容はどうでもいい。とにかくチームが勝てればいいんです」。米国でリハビリ中の斉藤に代わり、積極的に投手陣を引っ張っている。

 その意気込みは、試合後のこんな言葉にも表れている。「連勝の後に連敗するのは嫌だった。明日につながる試合ができて良かったです」。自分の勝利よりも、チームの勝利を喜んだ。

 これで6勝のうち5勝が1点差勝利。開幕戦の雪辱を果たした左腕エースが、ダッシュをさらに加速させた。「投げる試合は全部勝つつもりでいます」。勝利の味を知り尽くす昨季15勝左腕を先頭に、またも白星街道をひた走ることになりそうだ。

team 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 R H E


やったぜホークス5連勝!!

開幕5連勝 大隣 12K プロ初完投
9回表2死、オーティズを三振に仕留め、ガッツポーズの大隣

9回表2死、オーティズを三振に仕留め、ガッツポーズの大隣

 2年目左腕が逆襲の第一歩を刻んだ。大隣憲司投手(23)がロッテ打線を翻弄(ほんろう)した。プロ初完投勝利で、打たれたヒットはわずか3本。1点を失ったものの、真っ向勝負で毎回の12奪三振の力投だ。昨季は相次ぐ故障で2勝と期待を裏切ったが、今季初登板でルーキー大場に負けじと進化した姿を見せつけ、2005年以来の開幕5連勝へ導いた。

 最後も真っ向勝負だった。124球目は144キロのストレート。外角高めに外れたが、威力ある球に4番・オーティズは手を出さずにはいられなかった。「僕は真っすぐで生きてきました。昨年とは直球が全然違う」。3安打1失点でプロ初の完投勝利。毎回の12奪三振で、このうち9個を進化した直球で奪った。

 最大のピンチも力でねじ伏せた。逆転直後の8回だ。プロでは未知のイニングにも動じなかった。1死二、三塁から代打堀をフルカウントから143キロ直球で空振り三振。続く西岡も直球で二飛とピンチを切り抜けた。7回には、里崎、オーティズ、ズレータのクリーンアップから3者連続三振だ。「テンポもよく5試合で1番守りやすかった」と勝ち越し打を放った本多。左腕の快投が開幕5連勝を引き寄せた。

 前夜は寮の自室で、昨年8月25日、同じ本拠地でのロッテ戦のDVDを見た。1年目で唯一の無失点試合。「昨年のベストピッチだった。真っすぐは内角をつけていたし、変化球とスライダーでカウントを取れていた。技術的な事よりも意識です」。3回1死から今江にボテボテのゴロを打たせたが、一塁レストビッチのトスを受け取った際に、ベースカバーで塁を踏み忘れ内野安打に。2死二塁から西岡に二塁打を浴び、先制点を奪われた。だが、「粘り強くと言い聞かせました」。ベスト投球のイメージを脳裏に刻み、真っ向勝負でロッテ打線を翻弄した。

 大場と久米のルーキー2人を自分の車に乗せて球場入りしている。後輩は既に勝利を手にしているが、特に大学時代から知る大場は23日のプロ初登板となった楽天戦で無四球完封。「そりゃ、意識しましたよ。完封はしたことがなかった。先を越されて悔しかった」。メラメラと燃え上がった闘争心をこの日の投球に生かした。

 開幕5連勝で先発が白星を挙げたのは大場と大隣だけ。王監督は「“大”のつくのがお互い競い合ってね。(2人が先発した)開幕の2試合に関しては、いい形でお互いのライバル意識が出たと」。“大・大時代”の到来を予感させる若鷹コンビの熱投に目を細めた。

 相次ぐ故障でルーキーイヤーは不本意なシーズンに終わった。雪辱を期す2年目。「去年のことを考えると、今年は活躍したい。2ケタ勝ちたい」。最高の形で左腕の逆襲が始まった。 (向吉三郎)