医師を親に持つ子供は

小さな時から

「お医者さんになるの?」

と聞かれ


大学生になると

「医学部?」

と当たり前のように聞かれ


社会人になると

「お医者さんになった?」

と聞かれる。



小さな頃から

勉強は出来て当然という目で見られる。

「何になりたいの?」

とか

「大学でどんな勉強しているの?」

とは聴かれず

親の職業を知っている人は

当然のように

学部を指定した質問。

医学部ではないと伝えると

「あ、、、、、そうなんだ」

気まずそうにされる。

医学部じゃないならそれ以上の会話は必要ないみたいに。

まるで

触れてはいけなかったみたいな反応だったりする。


自分がやりたかった勉強をし

自分がやりたかった仕事に就いているのに

聞いてくる相手は医師ではないと知った途端

興味をなくすらしい、、、

「へえ!どんな仕事してるの?」

とは聞かれない。

親が医師ではない人には

喜んで聞いているのに。


親が医師である子供は、

医学部、

医師以外は

「失敗」のような視線を向けられる。

自分の意思で医学部には行かなかったのに、

医師を選ばなかっただけなのに

勉強が得意じゃないことに罪悪感を持ってしまうのは

親が医師だから?



行けなかった。

なれなかった。


そんな目で見られ

腫れ物に触るようにされたり

離れて行ったりする。

医師とは全く関係ない仕事であっても

医療に関わる仕事であっても

世間は

医師という職業を

ヒエラルキーの上に見ている人が多いから

そこに

届かなかった子供は、まるで負け組のように見られる。



親と同じ道に行くことが

勝ち組ではないし

違うことが

負け組でもない。

それを理解しているのは

親と同じように医学部に進み

医師になった人たち。

彼らは、自分が

勝ち組だとは思っていないし、

親の姿はきっかけに過ぎないことを知っている。


そう

傷つけ

差別するのは

いつも

その道を知らない人たち。無関係な人たち。


「子供さん医学部?」

の言葉に傷つくのは

親も同じ。

その質問に対してではなく

答えに対する相手の反応。


気まずそうにへらへら笑う人がいる。




医師を引退した親がいる。

ようやく親子の

長い長い月日に渡る呪縛が解かれた。


ようやく

肩の荷が降りて

笑えるようになったと、、、、。






長い間

お疲れ様でした。



親は親。


子供は子供。


それぞれが自分らしく生きられたらいいね。