2021.4.17


母は、今朝から水も飲めなくなった。

鎮静剤も、貼り薬に切り替えるらしい。

いよいよ危ない。


日常は、変わらずに巡って行く。

ホームでは、日々の営みは続けられ、私たちも仕事も生活も普通通り進めている。


ここ数週間の別れの時間は、母が与えてくれたものだけれど、いくら覚悟をしてもまだ、何かできる事はなかったのかと後悔が残る。

医者も看護師も、手厚く緩和ケアをしてくれて、母もそれを望んでいた。いっさいの延命を避けた。

これで良いのだと言い聞かせながらも、心の葛藤は絶えない。


ホームに行っても、もう何もできないまま、やつれた母を見て、無力な自分を情けなく感じながら、胸がいっぱいになって帰る。


私たち家族は、苦しみを除く事をお願いすることしか出来なかった。

98年頑張った体は、壊れた心臓以外どこもかしこも、もう疲れ果てている。


これから様子を見に行くが、おそらくあまりわからないとは思う。

半分、黄泉の国へ旅立っている。

どうか安らかに…

どうかこのまま眠って欲しい。


最後の願いだ。