予報通り小雨が降り出した夕方…
傘をさして、駅前通りまで買い物に行きました。
傘があると行き交う人が、ぶつからないように避けて通るので、帰りは一筋隣の人通りの少ない通りを歩きました。

「リンゴ」「ゴリラ」…
よく通る幼い声が響いて振り向くと、少し後ろから、乳母車を押した親子連れがしりとりをしながら、歩いてきました。
ビニールに覆われた乳母車の中が窮屈になったのか、黄色のレインコートを着た2歳位の男の子が、
「歩きたい!」
と言って、乳母車を降りました。

懐かしいなぁ…と思うのと同時に、可愛らしさに微笑んでいたら、何と私と同じマンションに入って行きました。
最近よく子供の声が聞こえる、上の階に越してきた家族だな…と思い、入口でお母さんにご挨拶。
小さな天使にも、
「今晩は!」
と声をかけました。
上目遣いで、じーっと私を見つめていましたが、通り過ぎた頃背中に、
「バイバイ!」
という可愛い声が聞こえました。
私ももう一度、
「バイバイ!」
と、返事をして部屋に入りました。

我が家の庭の真ん中に、少し前からハンガーが1本落ちています。
さては、彼がベランダからほおり投げたな…思わず、笑っちゃいました。
雨の日の心がほっこりするお話でした!