キングレコード時代、あのヒット曲「どうぞこのまま」を始め、私の全てのアルバムの制作ディレクターの井口良佐さんが、一昨日お亡くなりになりました。


2016年に久しぶりに再会した頃から、癌と闘っていて、闘病日記を拝見すると、2015年から4年間、頑張っていらしたのがわかりました。


私が知っている井口さんは、穏やかな物腰の優しい口調の方で、中に秘めた強い意志と侍のような強さは、若き日の私には気づけなかったです。ましてや、負けず嫌いな男気は、最近感じたことでした。


2018年1月にテレビの収録でお会いした時に、すでに杖をついて片足をかばって歩いていて、副作用で足が痺れているとおっしゃっていました。

収録後、井口さんのお住まいまでお送りしようと、ご自宅前までと思っていましたが、お近くで降りて歩いていかれました。

「大丈夫ですよ。」

と言いながら、気丈に歩いて行く後ろ姿を見送りながら、井口さんの病気になった悔しさを感じて、心が痛みました。


この春3月に、ご自分の主催のキングレコード同窓会をやる予定で、昨年末から繰り返しメールでやり取りをしていました。

芹洋子さん、麻倉未稀さん、岩里祐穂さん、小田陽子さんと、多くのアーティストや関係者が集まる予定でした。

井口さんが、楽しみにしていらしたのが伝わってきていたので、私も本当に残念です。


人の命の儚さは、16歳で父が亡くなって以来身に染みていますが、47歳でこの世を去った父の無念の涙同様、井口さんもこの世に未練を残して去っていったのがよくわかります。

若々しく精悍な気持ちを、最後までお持ちになって、生き抜いた方だと思います。


心よりご冥福をお祈り申し上げます。

これまでお世話になり、ご支援いただいた事に、本当に感謝致します。

未だ信じられず、言葉にできない思いがあります。

若き日の志を忘れずに、命のある限り歌いますね。

合掌…