親戚に不幸があって、次男のフォーマルスーツを買いに行きました。

少しなで肩の次男のシルエットは、どこか見覚えがあり…

ふと、結婚していた頃に元の主人のスーツを買いに行った事を思い出しました。


あれは、ニューヨークののジョルジュアルマーニのお店でしたね。バブル当時に活躍していた主人が、よく賞を頂いたりパーティーに呼ばれたりしたので、スーツは必要で、思い切ってオーダースーツを作りに行きました。

その時のお店の方の丁寧で、綿密な採寸を、私は感心しながらじっと見ていたのです。

どうしたら、なで肩の肩のラインを綺麗に見せるかを、何度も手を入れて形を整えていました。

出来上がったそのスーツは、想像以上にフィットしていて、本当に大切な場面で活躍しました。


その時の肩のラインを、次男のシルエットに重ねて、とても不思議な気がしました。

骨格は親と重なるという話を聞いた事がありますが、一緒にいる時間もなかった父親と、こんなに似るのかと驚きます。


暮らしの中で心に残る一場面は、実はたわいのない物だったりしますね。

秋になって、人恋しくなる季節がやってきて、忘れていた遠い昔を思い出しました。

また一人大切な親戚が亡くなって、悲しみとせつなさが、心に染み込みます。

こんな気持ちになる事こそ、生きているからなんだと、実感している夜です。

誰にも必ず、さよならする時が来る…

わかっていてもやるせない時が、静かに過ぎていきます。



*写真は、秋巡りのカラフルな落ち葉。

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