夜になると、ふゎっと耳を撫でる風が、ひんやりしています。
我が家の庭では、虫達が、静けさに溶け込むように鳴いています。

心の空洞にすっと切なさが入り込んで、また繰り返し懐かしいあの笑顔が浮かびます。

愛しい人を思う気持ちに、終わりはないのですね。
諦めてはまた、湧き上がり、諦めてはまた湧き上がる…不思議です。

こんな気持ちを抱いているなんて、誰が想像するでしょう!
大人はみんな訳知り顔で、寸分の隙も見せない人ばかりだから…

こうして年を重ねて、私は私の人生を、誰かさんはご自分の人生を生き抜くのでしょう。

今夜は月が笑っています。
宛て名の書けない手紙を、心のポストに入れました。

秋が始まりますね…