たまには一人、疲れた日常を離れて心を癒やし、ロマンを感じたい気分の時は、レトロな映画を見て過ごします。
映画が好きで、たくさん見てきたから、見てないものを探すのが一苦労ですが…

年末年始は、マリーネデートリッヒの『情夫』とケーリーグラント・グレースケリーの『泥棒成金』を見ました。

『情夫』は、原作・構成・脚本・演出すべてが、非の打ち所なくよくできた映画でした。
何気に見出しても、立ち上がる隙もない位引きつけられ、集中しましたね。
サスペンスタッチで、裏をかくストーリーなので、最後にアッと息をのむ終わり方です。
今の映画のような派手な仕掛けも演出もないのに、俳優の存在感や芝居の上手さが際立ち、よけいなものはいらないのがわかります。
とても手応えのある映画です。お薦め!
『泥棒成金』はヒッチコックがハリウッド全盛期に作った娯楽作かな。ヒッチコックは、ほとんど見たから、見てない物はないと思いながら借りましたが…
最後の結末になって、思い出しました!
やっぱり見てましたね。(笑)
でも、ケーリーグラントとグレースケリーのコンビは『裏窓』に次ぐ作品で、充分見応えあります。
ヒッチコックのカメラワークは、絶妙です!
途中必ず、自分が登場するお茶目ぶりも楽しいですね。(笑)この映画では、バスの乗客で出てましたよ!

昔のテンポや風情が好きです。丁寧に真摯な目で作品を作り上げる姿勢も、ひたひたと伝わります。そこに、人間の手作りのぬくもりもあって、心が温まります。
機械や金属、化学繊維や化学薬品に満ちたこの時代に、一抹の平和を与えてくれる気がするのは、私だけでしょうか?