NHKのプレミアム10で、吉田拓郎のつま恋ライブをドキュメントをやっていた。
南こうせつとかぐや姫も出演した、70年代の伝説のコンサートを再現した、ビックイベント…3万5千人の中高年・主に団魂の世代が集まった、最近では一番の話題のコンサートだ。
ステージの上には、私もお世話になったミュージシャンの懐かしい顔が並び、キーボードは元主人の佐藤準だった。
私はエレックレコードで、吉田拓郎とはすれちがっていて、世代が下だったし音楽のジャンルも違うので、よく知らないのが正直な所で…
一度だけイベントで一緒になり、打ち上げで同じテーブルになり、話した事がある。その時のテーブルを囲んだメンバーは、他にも井上陽水・小田和正とそうそうたる顔ぶれで、結果話はまったくはずまなかったのを覚えている。当たり前だな!
拓郎は、60歳を感じさせないみずみずしさで、肩もはらず、自然体で歌った。
歌詞が、柔らかく染み込んでいく…
最後の「今日までそして明日から」の歌詞が、シンプルな繰り返しなのに言葉がくっきり生きてる…そうか、このリアルでさりげない入り込みが、心を突くんだな。
本人もコメントで、我が儘で、好き勝手な人生を歩いてると語っていた。けれど、確かに年を重ねて、大病を克服して、何かが変わったように見える。
しかしそんな事は、口に出さない、相変わらず気持ちと反対な事を歌うひねった歌詞が、男の美学を感じる。かつてのエレック魂と言われた精神は、やはりこの人が元祖か…
だとすると、私もかなりの恩恵を感じる。その無謀なほどの粘りやひきさがらない自己主張は、エレックならではのものだったから。オリジナリティーと言えば美しいけどね。
大先輩の方々の生きてる歌は、やはり脱帽だった。やがて追い掛ける私達に、そんな力が出せるのか…考えたら駄目になる。
弱気なほど、がむしゃらな気合いで乗り越えるエレック魂…これからはますます、必要になりそうだ。