理「愛佳〜!!」
笑顔で走って来るのは渡邉理佐。
私の大好きな恋人。
今日は理佐と付き合って一年。
だから、今日はデート
次の瞬間
ピピーー
バンッ
トラックに理佐は…。
目の前に広がる光景。
血の海、止まらない血。
愛「り、理佐…」
理佐は直ぐに病院へ搬送された
命に別状は無かった。けど、昏睡状態が続くと医師に告げられた
手術は無事に終わり、今、理佐は眠って居る
ガラガラ
病室のドアが開き、勢いよく理佐の両親が来た
母「ま、愛佳ちゃん…り、理佐はどうなるの?ねぇ。どうなるのよ!」
愛「私が…私が守ってあげられれば。命に別状は無いみたいです。本当にすみません。」
母「理佐の痛みはそんなものじゃ無いのよ!」
理佐の母親の声が病室に響く
父「おい、そこら辺にしときなさい。愛佳ちゃんも辛かっただろう。」
母「もう、これ以上理佐に会わないで。」
理佐に会えない?
そんな…
でも…仕方ないんだよね。
ごめんね、理佐。
愛「…はい。でも、理佐が目を覚ますまでは側にいてあげたいんです。お願いします。」
父「それ位いいだろう?母さん。」
母「分かったわ。」
私は理佐が目を覚ますまで側に居ることになった
その間、理佐の両親はこっちに来る準備をするらしい。
それから数ヶ月
まだ理佐は目を覚まさない
愛「理佐…ごめんね」
私は毎日理佐に謝る
でも、そんな声も聞こえないんだよね。
私はある日思い出した
確か…理佐って花好きだよね
私は急いで近くの花屋に向かった
カランカラン
「いらっしゃいませ」
沢山の花がある中、私はある花を探した
愛「あの…黒いチューリップって有りますか?」
店「少々お待ちください」
数分後、店員さんは黒いチューリップを持って来てくれた
店「お持ちしました。ですが、これは…」
愛「分かってます。週に一度、黒いチューリップを買いに来ますので、仕入れといていただけると嬉しいです。」
店「わかりました」
私は黒いチューリップを一輪買って理佐の眠る病室に入った
家から持ってきておいた花瓶に買ったばかりの黒いチューリップを入れた
あれから一年
また、いつものように花屋に行く
今日で最後にしよう。
カランカラン
「いらっしゃいませ」
店「あ、今日もですか?」
愛「いえ。今日は赤色の薔薇。頂けませんか?あと、メッセージカードも。メッセージは…でお願いします」
店「かしこまりました」
私は赤い薔薇一輪とメッセージカード一枚を買った
花屋から出る前に
愛「今までありがとうございました。もう、来ませんので…」
店「そ、そうですか。」
愛「では。」
「ありがとうございました」
カランカラン
薔薇とメッセージカードを持ち、病室に入った
愛「あーあ、枯れちゃった」
花瓶を見ると黒いチューリップは枯れていた
私は黒いチューリップが枯れている中に一輪。生き生きとした赤い薔薇を入れた
直ぐ側にメッセージカードを置く
その時
理「うぅ…」
愛「り、理佐?」
理佐は目を覚ました。
今日はあの事故から一年
一年もの月日を眠っていた理佐が…
理「ま、愛佳…」
愛「…ん。ちょっと待っててね」
私。涙が…
理佐に見られたよね。
理佐、悲しい顔してた。
理佐も、泣いてた。
私は理佐にそう告げて理佐の両親に連絡し、医師に目が覚めたことを伝えた
そして、私は自分の家に帰った
その後の理佐の事は知らない
理佐にはもう会わない
だって、理佐の母親と約束したから。
理佐が目を覚ますまで側にいる。
目が覚めたら私は消える。あなたの側から。
黒いチューリップの花言葉は
私を忘れてください。
赤い薔薇の花言葉は
あなたを愛しています。
そして、メッセージカードに書いた言葉は
あなたの幸せを心からお祈りします。
ありがとう。そして、さようなら。
黒いチューリップは全て枯れた
私の本性じゃない意味を持つ黒いチューリップ
それは、私を忘れないでください。と私の心が花に伝わったかのように、枯れた
全て枯れた中に一輪の生き生きとした綺麗な赤い薔薇を花瓶に入れた時、理佐は目を覚ました
それは、あなたを愛しています。と私の心が理佐の心に伝わったかのように理佐は目を覚ました
そして今。私は暗い暗い部屋で1人泣く。
それしか私には出来ないんだ。
今日は丁度、理佐と付き合って二年。
一年間理佐の声を聞いてなかった。
でも、もう聞けないんだね。
私にはもう何もない。
愛「理佐。愛してます。これからもずっと。」
終わり