
この薬の山・・・

全部ちょぼのお薬である

2月の初旬・・・。
ちょぼの背中の肩のあたりに1cmくらいのシコリを見つけた。
私はワクチン打ったトコが固まったんじゃないか、と思ったが、妻が心配するので念のため仕事が休みだった私が一人、ちょぼを連れて病院へ。
組織検査もしたが特に悪い細胞は発見されず・・・。
でも、シコリが小さすぎて正確な判断はできないようだった。
「このシコリが大きくなるようだったら来てください。」
とのこと。
病院から念のため抗生剤と消炎剤をもらい、帰ってからフードと一緒に食べさせた。
問題はそのあと起こった・・・。
その晩になって散歩で血便を繰り返す。
急いで帰ったが今度は嘔吐も繰り返し始めた・・・。
何度も便を出すポーズをして苦しみだした・・・。
外へ行きたいようなので抱いて連れて行くが便を出すポーズのまま動かない。
「大丈夫か!?しっかりしろ!!」
そう言うしかない無力さを感じながらちょぼを見ると、痛みに耐え、震えながらながらじっと私を見ている。
その時、
「パパ!パパ!助けて!!」
と声が聞こえたのだ。
ふと思った。
ちょぼがもし・・・もし『虹の橋』へ旅立つ日がきて、こんなふうに私を求められたら耐えられない・・・と。
「パパのところにいたいよ!!」
そんなちょぼに見えて悲しくなってしまった・・・。
あのちょぼの心の叫びとすがるような目は一生忘れられない・・・。
妻も帰ってきていたので、車で妻と一緒にちょぼを連れて夜間具合が悪い時度々行く病院へ。
結果、抗生剤が大腸炎をおこしたということだった。
一応エコー検査をし、吐き止めの注射を打って、かかりつけの病院にあてた診断書を書いてもらい帰宅。
かかりつけの病院では整腸剤をいただき落ち着いた。
シコリはやはりワクチンへの反応でできたようだ。
今はもう無い。
そんな出来事もひと段落するかしないかの時、今度は3月初旬、左前足をひきずりだした。
ある日完全に足が地面につかなくなり、動きもせず伏せたまま・・・。
呼吸するたび震えて苦しそうになった。
また、夜間の病院へ妻と一緒にちょぼを連れて行った。
レントゲンを撮るが異常が見られない・・・。
翌日レントゲン写真を持ってかかりつけの病院へ。
「脊髄に何か損傷があるか、間接の間に”マウス”と呼ばれるモノが入ったか・・・いずれにせよレントゲンでは分かりません。MRIか内視鏡での検査ができるところを紹介します。大学病院は2週間予約を待ちますがよろしいですか?」
・・・MRI・・・内視鏡・・・いずれも全身麻酔だということくらい私も知っている・・・。
でも、でもちょぼはこんなに苦しんでいる。検査で何が原因かが分かり、それによって私たちに何が出来るのかが分かれば、と思い予約と紹介状をお願いした。
大学病院は平日しか診てもらえない。
仕事は当然遅刻、もしくは休まなければならない・・・。
「犬のため」なんてことが会社に理解されなくても私にとっては家族の重大事。当然休もうと思っていた。
大学病院ではいきなりMRI検査はしないそう。間接液を採るとか検査をしてから、ということだった。
2週間分の消炎剤をいただいて帰り、妻にも報告した。
「散歩がハードだったかなァ・・・。」
「全身麻酔で命を落とす場合もあるらしいよ・・・。」
・・・不安・・・。
その日からバギーに乗せての散歩になった・・・。

いつもの仲間からも心配していただいた。
「---というわけでしばらくそちらに行けません。」
「ちょぼが元気ないと心配だよ~。”突貫小僧”がいないと寂しいよ~。」
公園で会うワンコ友達も
「あら、ちょぼ、ベビーカーに乗って・・・、どうしたの?」
「足が悪くて・・・。」
毎日「大丈夫?」「良くなった?」等の声をかけていただいた。
ちょぼ、お前って友達多くて人気者だったんだなァ・・・。
消炎剤のおかげか、ちょぼの精神力、もしくは
”バギーなんかヤダ!!遊びたい!!”
その一心か、少しづつ回復の兆し。
ーーーというか、ほぼ全快になっていた。
でも、原因を知らなければまたいつ症状が出るか分からない。あの日尋常じゃない症状だったことから、やっぱりちゃんと検査しておかなければ・・・そう思っていた。
そんな中、震災が起きた・・・。
東京は被害こそ少なかったが都市機能はマヒ状態。
東北地方の被災された方々を思う一方、大学病院の検査は大丈夫だろうか?計画停電などで影響ないだろうか?と、ちょぼのことばかり考えた。
妻とお互い仕事中毎日お互いの不安やちょぼの状態などをメールでやりとりしてた。
お互い不安で一杯だった。
どんな検査が待ってるんだろう?
MRIでちょぼは全身麻酔されて大丈夫なんだろうか?
麻酔かけられて横たわるちょぼを想像するだけでたまらなかった・・・。
そして震災の影響を引きずった街の雰囲気の中、大学病院へ。

私も妻もドキドキだった。
スゴイ!!
人間の病院並だ

呼ばれて診察室へ入ると問診の先生が診察台の前、その周りを研修生らしき人が5~6人いた。
(す、すげェ!!)
いろいろ聞かれた。(---が全部は覚えてない

妻はいつものように先生よりいっぱいしゃべる

パピーの頃から今までを事細かに

一生懸命なんだなァ、妻も。
高い診察料の元をとるかのように
「これはどうなんですか?」
「あれはどうなんですか?」
しゃべる、しゃべる

検査のため40分待合室で待たされることに。
またまた呼ばれて診察室へ。
中へ入ると、今度は問診した先生じゃなく、偉いカンジの白髪混じりの先生

”真打やっと登場!!”っていう感じ。
研修生に囲まれてまさしく『白い巨塔』
「〇〇教授の総回診ですぅ。」
というカンジ・・・

ーーー結果。
レントゲンをキレイに撮って診たが異常なし。
関節の動き等の検査の結果、ビッコも改善されているので経過を見る、ということだった。
消炎剤で悪いところが誤魔化されてしまうこともあるので、薬は中止。
「今度は予約なしで診るから一番悪い時に来てください。」
色々教わって終わった。
結局、原因は未だ分からないまま・・・。
でも・・・、
今は元の元気なちょぼに戻っている。
いや、最近は暖かくなってきたこともあり、前より元気なくらいヤンチャ坊主になった

その結果がコレだ・・・
↓

散歩ではしゃいで走り回り、木の枝か葉っぱで負傷・・・

ソッコー消毒&塗り薬・・・。
『目』じゃなくてよかったよ

まったく・・・どこまで心配かけるのやら・・・

ヤンチャで、イタズラ坊主で、ダダっ子で、頑固でそのくせ甘えん坊で・・・パパに怒られてシュンとして、ママにワガママやって・・・でも頭が良くって言うことよく聞いて、そのかわりワル知恵も働いて

でも・・・愛してます

だから・・・愛してます

ちょぼ・・・



あの私を見つめて必死に助けを求めた目は忘れない・・・。
お前を絶対守るからな