1569年に武田信玄は、北条氏康・氏政親子が守る小田原
城を攻めました。しかし北条家は強豪で、攻め切れません。
撤退せざるを得ませんでした。しかし、諦めたわけでは、あ
りませんでした。
その時に信玄が頼ったのが、忍者でした。小田原城下に、猿
回しや山伏に変装した忍者たちを送ったのです。
彼らの役割は、忍者の職務の定番である情報収集でなく、む
しろ逆でした。
「武田軍が撤退したのは、多くの兵が奇妙な熱病にかかった
からだ」
という偽情報を、流したのでした。
こうした偽情報を流すのも、忍者の仕事です。織田信長が使
った忍者も、「桶狭間の戦い」では今川義元ら今川家の情報
を収集しただけでなく、織田家の偽情報を数多く流して騙し
たとされています。
尚北条氏はそうした武田家の忍者たちの働きを見てより忍者
の大切さを認識し、風魔小太郎ら風魔一族を部下にしたとさ
れています。風魔小太郎らのゲリラ戦法に支えられながら、
北条氏は武田勝頼の軍を敗走させることが、出来たのです。