犬猿の仲でやり方も全く違う3代将軍・足利義満と4代将軍
・足利義持の両方から重用された高僧・三宝院満済ですが、
彼は室町時代の中で最大とも言えるかもしれないイベントを
司りました。
色々あった室町時代ですが、後世で最も驚かれているのは、
6代将軍・足利義教をくじ引きで選んだことでしょう。
最高権力者である将軍を、くじ引きで決める。通常では考え
られないことですね。ただこの時代の「くじ引き」というの
は、今の感覚と全くかけ離れていたのです。
「くじ引きで決める」というのは、「神様に決めてもらう」
ということでして、現代のような「運任せ」とは全然違った
神聖な認識だったのでした。
そしてこの時「くじ」をつくったのが、昨日も題材にした三
宝院満済なのです。
候補者は4人いて、それぞれその4人の名前を書いたくじを
つくり、そこから1枚を引く。引かれたくじに書かれていた
名前の人物が将軍。という段取りでした。
くじをつくったのが三宝院満済で、引いたのは畠山義家でし
た。この畠山義家も、三宝院満済といたって親交の深い人物
でして、従ってこの一大イベントを進行し、司ったのは、や
はり三宝院満済だったと言えるでしょう。