忍者は身体能力を生かしてダイナミックな動きも得意ですが、
その逆も大事でした。静かな動き、歩法です。
相手に気づかれないように足跡を立てずに歩く忍者独特の歩
き方で、技の1つでしょう。その歩法には、いくつか種類が
ありました。
まずは、「浮足」です。落ち葉が積もった山などを歩く時に
使う技ですが、木の葉などは音が立ちやすいので、訓練が必
要です。
浮足のやり方としては、足のつま先から地面につけて、ゆっ
くりとかかとまで降ろして歩くというのが、基本です。
他によく使われるものとして、「横歩き」というのがありま
した。壁際を歩く際に主に使われ、背中側から攻撃されない
のと、気配が相手にバレにくいというメリットも、ありまし
た。
「深草兎歩」というのが、ありました。自分の両手の甲の上
に足を乗せて歩くという特殊な歩法でして、結構な難易度で
す。しかし足音を消せるということで、よく使われました。
ただし修得が最も難しいとされています。
「狐走り」というのも、ありました。文字通り狐の歩き方を
真似たのですが、四つん這いになった際に足をつま先立ちに
するのが大事でした。膝を地面につけては、いけません。従
って、これも結構大変です。