894年、菅原道真の進言によって「遣唐使」が廃止された
という認識に、長年されておりました。894を語呂合わせ
として、「白紙(はくし)に戻す」という風に、テストの前
に記憶させたことがある人も、いると思います。
しかしこれが間違いであることが、最近の研究ではっきりし
たそうです。
菅原道真が進言したのは遣唐使の「廃止」でなく、「今年は
中止」だったことが、判明したというのです。翌年のことま
では全く触れておらず、従ってその後復活する可能性は、残
したままなのでした。
ただし中国というのは1つの国でなくていくつかの国の集合
体、いわば連合国家でした。そしてそれぞれの国が常に喧嘩
をしているという状態でした。
この「遣唐使」も、元々は「遣隋使」で始まっております。
その当時は隋が最も強大だったからなのですが、やがて隋は
没落し、唐が最強国家となったので、「遣唐使」として復活
したのです。
しかしそれも、そういつまでも続かないのが、中国の特徴な
のです。唐の力が弱まり、日本にとって「遣唐使」の意義が
あまりなくなったこと。日本国内もかなり混乱して来たこと。
それらの理由で菅原道真は「今年は中止で良いだろう」とい
う提案をし、可決されたのでした。
そうして様子を見ているうちに唐は力をさらに弱めて行き、
907年に滅亡してしまいました。当然ながら、「遣唐使」
も自然消滅です。