道鏡は、血筋としては物部氏の系統と思われます。そしてそ
の物部氏というのは、神武天皇がヤマトを治める前に同国を
統治していたニギハヤヒを先祖としているとされています。
この血筋が称徳天皇に取り立てられた理由の1つでもあるの
ですが、道鏡が生まれた頃はもうこの名門の血筋が役に立っ
ていない世の中でしたので、彼はたたき上げの僧侶として一歩
を踏み出しております。
道鏡は、聖武天皇の看病禅師だった良弁に師事する見習いと
して、学んでいました。ただしその間に呪術に対する思い入れ
を深め、経典をむさぼり読んだ後、役小角が修行したとされる
葛城山に入り、10年間修行したとされています。
それが認められ、「法師」の資格を得ました。さらに、役小角が
修めた様々な呪法を身に着けたそうです。その中に、「医術」の
呪法もありました。
道鏡が得意としたのはその中の「宿曜秘法」というもので、それ
を駆使して孝謙天皇(称徳天皇の最初の即位時の名)の難病
を治したということです。
宿曜秘法というのは星の運行を基礎にして誕生日からその人の
一生を占う術なので、占星術のようなものに感じてしまいますが、
それを深めて医学にも応用したものですね。
とはいえ、具体的にそれがどんなものなのか、どのような手法で
呪術を行なったのかは、わかりません。ただその人の体質を見出
し、病気との関連を追及した後で、何かしらの呪術を施したのか
と思われます。
ただ、恐らく最も効果的なのは、カウンセリングと手当てかと思わ
れます。ストレスを取り去り、気持ちにも体にも免疫力を強めるこ
とが、大事なのかと思われます。
確かなのは、道鏡が優秀な看病禅師であったこと。そして気持ち
に力を与える類まれな話術の力も持ち合わせていたことでしょう。
そしてその話術が、政治にも応用出来ると、称徳天皇は見たのか
と思います。
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