日本人の海に対する慎重さを物語る古来伝承の妖怪と都市伝説的神話 | 山科薫マニアックな世界を楽しみましょう

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日本は四方を海に囲まれた国です。それを生かして、船を使

った海洋事業が発達しました。

 

魚を採る漁は勿論のこと、輸送事業も海を利用した船輸送に

よって効率を上げていました。軍事的にも、海軍が世界的に

恐れられていたようです。

 

ただし当然ながら、海には多くの危険が存在します。そのため

の防止策は入念でしたし、警戒心も強かったようです。それを

象徴するように、海にまつわる妖怪の話や迷信的神話も誕生

しています。

 

まず、「船幽霊」です。海で命を落とした数多くの人の霊が現れ

たものが、船幽霊なのだそうです。その船幽霊たちはお盆の日

に霊となって海に現れるので、その日に船を出すと灯りを消して

進路をわからなくしたり、ひどい時には船を転覆させたりもする

ということです。

 

他に有名な妖怪として、「海坊主」がいますね。頭が坊主のよう

に丸く、目がギロリとしています。かなり神経質で目が合うと喧嘩

を売られたと思って船を転覆させたりもするそうなので、現れたら

そちらに視線を送っては危険なのだそうです。

 

さらに、「船に女を乗せてはいけない」というしきたりが、かつてあ

ったそうですね。まあ女ばかりの海賊も存在したのでどこまで厳密

かはわかりませんが、しかしそのしきたりの理由がわかれば、「女

ばかり」であればまた別というのがわかります。

 

船の神様が、嫉妬深い女神だというのです。従って、男たちが女を

船に乗せると、嫉妬して海を荒れさせるというのです。

 

まあ日本らしいというか、神様をなめているというか、人間の女に

嫉妬する神様なんて、聞いたことがありませんね。人間と、同等の

レベルです。まあ海を荒れさせることが出来るのが凄い能力ですが、

しかしそれなら、女神というより魔女」ですね。ただ「女ばかり」の海

賊でしたら嫉妬する理由もないので、海も荒れないのです。