大正7年、インフルエンザが世界的に大流行しました。日本
も例外ではなく、多くの使者が出て大騒ぎになりました。
特効薬も治療法もまだ見つからず、予防として或る方法が、
流行しました。それは、家の玄関に「久松留守」と書いたお札
を貼ることだったそうなのです。
これは、近松門左衛門作の歌舞伎「お染久松」に引っ掛けた
ダジャレのようなものでした。
「伝染病」の「染」という字を取りまして、「お染」に見立てたの
です。そして、「恋人の久松は留守なので来ても無駄ですよ」
と、伝染病であるインフルエンザに訴えるのが、このお札の
目的なのでした。
冗談にしか見えないですが、当時はこれを大真面目にやって
いたというのです。それこそ「藁にもすがる思い」とは、このこ
とを言うのでしょうね。
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