亭主を寝取られて警察に盗難届を出した妻の話 | 山科薫マニアックな世界を楽しみましょう

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今の話では、ありません。これも明治時代の話です。次のよ

うな文面が、新聞紙上を騒がせました。

 

「盗難御届 私儀。十数年来添い来たりし大切な夫を、一昨

夜より二晩お何なる者に盗み取られ候につき、至急お取戻

し下されたく、この段御届け候なり」

 

「お何」というのは、女性の名前です。要するに、お何という

女性に亭主を寝取られた妻が、警察に盗難届を出したので

した。明治半ばに、岐阜県大野郡で起きた話です。

 

警察は勿論盗難届を受理しなかったようですが、妻にすれば

その辺は覚悟の上。それ以上にこのことが新聞沙汰になった

ことで、広く話題になりました。

 

それによると、このお何という女性は男をたぶらかすのが得意

で妖術使いとも仇名されるそうでして、しかも家庭のある男を特

に虜にするそう。しかもモノにした男を全て不幸に陥れる超ウル

トラ級の下げマン(そういう言葉は当時使われていませんが)で

もあるそうです。

 

つまりこの件によってお何のスキャンダルというか悪評が全国

的に知れ渡ったわけですが、盗難届を出した妻も、お何の評判

を貶めたことで、気分がすっきりしたようです。要するに、当時と

しては最大級に近い腹いせだったのでしょう。