日本の城の周りには、大体松の木が植えられています。それ
によって威厳が保たれていますが、ただ松が植えられた理由
は、別にあります。
松は、食糧になるのです。しかも、栄養が実はあるのです。従
って、籠城の際の非常食に、便利でした。
松の中でも最も栄養があるのは、皮の内側の白い部分なのだ
そうです。
この部分を調理する方法として最もポピュラーだったのが、臼
でついて水に浸して苦みや臭みをまず抜きます。その上でそ
の汁をこして干せば、白い粉ができます。この粉を麦粉などに
混ぜると、餅が出来るそうです。これが最もポピュラーな調理
法だということです。
江戸時代以前は、松は非常食として人々の生活に密着してい
たそうです。飢饉の際には農民たちが争って松の木の皮をは
いだため、街道の松並木が丸裸になることも珍しくなかったと
いいます。
皮だけでなく、松の葉にも強い殺菌力がある上、ビタミンやミネ
ラルも豊富に含まれています。決して美味しくはないそうですが、
非常時には役立ち、健康に良いそうです。そのため、戦国武将
たちは重宝がったのでした。