警護する人間のことを、「用心棒」と言ったりしますね。今
のような使い方をするようになったのは、江戸時代からの
ことです。
主にこの言葉を使っていたのは、博徒たちでした。博徒た
ちは腕の立つ浪人侍を雇い、敵対する相手から自分たち
の身や組織を守っていたのです。
この辺は時代劇でもお馴染みのシーンがよくあるのでおわ
かりかと思いますが、ぞのまま事実に基づいています。
ただしこの「用心棒」という言葉自体は、それよりずっと前か
ら存在していました。ただし字の通り、「棒」を意味する言葉
だったのです。
商家が中心ですが、各家庭はそれぞれ、「泥棒対策」をする
必要がありました。従って、用心のための棒を、用意してい
たのです。その「棒」のことを、「用心棒」と呼んでいました。
何を用心棒として使っていたかはそれぞれで、木刀や竹刀
を使う家もあれば、長いすりこぎのような棒を用意する家も
あったそうです。
やがてその「用心棒」という言葉を「人間」にも当てはめて使
うようになったのですが、何のアレンジもされずそのまま使っ
ているのが面白いですね。