日本はいたる所に温泉が湧いている国でして、その歴史はと
てつもなく古いです。
有馬温泉には推古天皇やその甥の厩戸皇子(聖徳太子)など
も入ったとされますが、それよりはるか昔に発見されていて、
日本最古の発見とされるのが、道後温泉です。
神話で紹介されているエピソードでは、少彦名神が草の実を取
ろうとしたところ、弾き飛ばされて伊予の湯に落ちたために発見
されたそうで、これが道後温泉とされています。
「神様」が草の実を取ろうとして失敗して落ちてしまった。神様が
ドジをしてしまうところ、落ちた所が温泉でそれが気持ちいいと思
うところがいかにも人間と距離がなくて日本的な発想ですが、そ
れはまあさておき、この神話の舞台は石器時代です。
つまり、石器時代にはすでに道後温泉が発見され、人々が入って
いたと考えられます。
この時代にはすでに人々が水に入って体を浄める習慣があったの
で、温泉が発見される必然性は充分にあります。
尚、道後温泉の発見に関しては、別な話もあります。猿が池のような
場所に浸かっているのを、人間が発見しました。ただそこは湯気が出
ていて、水ではなくお湯のようです。しかも、猿が何とも気持ち良さそう。
そこで人間が入ってみたら、凄く気持ちが良いだけでなく、健やかにな
れた。それが道後温泉だった。という話です。
少なくとも石器時代以前から、日本人には温泉入浴の習慣があったと
いうことが確かなのです。