本業の陶芸家よりも美食家としての方が有名な北大路魯山人
ですが、フランスを旅行した際、フランス料理についても綴って
います。ただその内容ですが、
「肉は悪く、魚も悪い。工夫も稚拙で、ボーイも礼儀に欠ける。
食器は貧弱で、料理の美を知らない。うまい水はなく、日本酒
の半額のワインを喜んで飲み、カタツムリを食すフランス人は
愚の骨頂である。
結局、フランス料理からは、何も学び取るものはない」
と、ケチョンケチョンなのでした。
特別フランスに対して恨みやコンプレックスがあったわけでは
ないようなので、よほど口に合わなかったのでしょう。
昭和29年、鴨の名店に出かけた時、料理法が気に入らない
と注文をつけて、持参のわさび醤油で食べたという逸話があ
るくらいですから、筋金入りのフランス料理嫌いです。