室町時代後期に、宗長という連歌師がおりました。その人の
作品に、次のような歌があります。
「もののふのやばせの舟は速くとも急がば回れ瀬田の唐橋」
東海道草津の宿、矢倉という場所が、あります。そこは、海路
と陸路の分岐点でした。
海路は二里も近くて早いけれど、比叡おろしの突風で常に危
険が伴います。そのために生まれた歌でした。急いで危ない
ことをするよりも、安全を優先せよという意味の歌です。また
その方が、結局は早道なのだということも、暗に示しています。
この歌がきっかけとなって、「急がば回れ」という格言が、生ま
れました。
急いでいる時は、よく知らない近道や危険な近道を避けてよ
く知っている安全な道を行った方が、結局は早く目的地に到
達する、という意味です。
冒険をするなと言っているのでは、ありません。焦ってはいけ
ないと、言っているのです。焦ったおかげで却って時間と手間
がかかってしまったこと、よくあると思いましょう。
もっと意味を広げれば、効率を考えて手間を省いたつもりが
逆に効率を悪くしてしまったケース、経費を節減したことが裏
目に出て却ってよけいな出費をしてしまうケース、そうした場
合にも当てはまる、いわば教訓でもあるでしょう。
ところで今日は、メンテナンスの日だったようですね。しかも今回は11時までというロングランということで、この時間までブログの更新ができませんでした。そのため、日に3回行ってきた更新を今日は、2回とさせて頂くことを、お許しください。