昔は長さを表わす単位がメートルやセンチではなく、尺と寸
でした。それはもう戦前のことだと思いますが、それでも昔の
文学作品を読むと、尺とか寸は出てきます。
1尺は、手を伸ばした時の中指の先から親指の先、つまり一
杯一杯を言うそうです。しかし手の大きさは、個人差があり過
ぎますね。
ただ、大きめの手の場合を言うようでして、1尺は30センチ近
いようです。子供の頃、年配の人が言う「6尺」は、180センチ
のことのようでした。昔の小説でも、「6尺大の大男」なんていう
表現はよく使われていました。
尺八という楽器が、ありますね。この「尺」は、長さを表わしてい
るそうです。
しかし「八尺」といったら、およそ2メートル40センチ。槍よりも長
くなり、楽器というより武器です。実際に尺八がそんなに長かっ
た時代なんて、存在しません。
尺八は中国でつくられ、奈良時代に日本に渡って来ましたが、
標準的長さは「一尺八寸」となっております。その略が、「尺八」
です。つまり「尺八」という名前は、「一尺八寸」を真ん中だけ取
って省略したものなのでした。