JR札幌駅の近くに、狸小路という有名な通りがあります。
この名前が誕生したのは、明治時代の半ばのことでした。というと、当時狸が沢山出たのかと思われがちですが、違います。
札幌に商店街が形成されたのが、明治18年頃のことです。今の狸小路があるあたりには、曖昧屋と呼ばれるような店が多く立ち並んでいました。
曖昧屋とは、表向きは料理店で、実は売春をやっている店のこと。東京で言うと、青線のようなものです。
表向きは清楚で堅そうな女性が、いざとなると豹変して体を商売にするのです。
その化けっぷりが、人を化かすとされた狸と結びつけられたわけです。狸のような女が沢山現れるから、狸小路となったそうです。