ニセ客、やらせの拍手などのことを、「サクラ」といいます。この言葉は、
すたれずに今も使われ続けております。
これは、江戸時代からある、伝統的な言葉でして、大坂から発生したも
のです。ただ、意味としては、現代とは微妙に違っていたようです。
大坂のある禅寺で、経本を刷るための版木にする古木がなくなったため、
こっそり生の桜の木を伐採するのを、和尚が見て見ぬふりをしたのがき
っかけだと、言われています。
このことから、不正を見ぬふりをして見逃すことを、「サクラ」というように
なったということです。
そして、言葉というのは、使われ方の幅が広がるのが常です。やがて、不
正を見逃すだけでなく、いんちきについて様々に使われるようになりました。
一番多かったのは、やはり大坂の芝居小屋です。
芝居を盛り上げるために、、大向こうから掛け声を掛ける人物を雇うのが、
ほぼ定番化していたようです。
ただし、この人物たちを「サクラ」と呼ぶのではなく、人物のために用意した
桟敷席のことを、「サクラ」と呼んでいたということです。
人物を「サクラ」と呼ぶようになったのはかなり新しく、明治の末頃だという
ことです。芝居小屋ではなく、大道芸人らが客寄せ用に呼んだ「ニセ客」の
ことを「サクラ」と呼ぶようになり、現在に至っているということです。
ということで、今日は国沢組、撮影最終日です。昨日も書きましたように、
ヒロインのあいださくらさんと私のみのキャスト。2人で緊迫した謎の心理
劇を続けます。私はこういう閉鎖的でちょっと異空間を思わせるような雰囲気
とシチュエーションの中での芝居が好きなので、緊迫しながらも、楽しみたい
と思います。
あれ、別に、ヒロイン、今日の相手役の名前が「さくら」だから「サクラ」を
テーマにしたのではありません。今、書き終って気づきました。それにしても
彼女、「あまちゃん」の能年怜奈さんに、似ています。