人間の舌というのは、甘味、塩味、酸味、苦味、そしてうま味の5
種類を、感じることが出来るようになっています。
そのうち苦味と酸味に関しては、腐敗や毒物を察知するなど、危険
から守るシグナルとしての役割も果たしています。
このシグナルですが、子供のうちは抵抗力が弱く、危険に対する
知識にも乏しいため、より慎重というか臆病です。ちょっとの苦味に
も、拒絶反応や過剰な警戒心を抱きがちになります。
しかし大人になって、抵抗力がつき、危険に対する知識も備わり、あ
る程度のことでも人間の体が耐えうることを知ると、冒険心がつきま
す。刺激を求めます。
好奇心や恐いもの見たさもありますが、刺激によって鍛えよう、免疫
力を増そうという本能も、生じるのです。また、その刺激が苦痛じゃな
かったりすると、自信になって、また味わいたくなるものです。
子供の頃に美味しいと思わないどころか苦過ぎて拒否反応を示した
コーヒーやビール(いけないことは重々知っております)が大人にな
って好きになったりするのは、そのせいです。酸味に関しても、梅干し
やレモン、酢の物がそうです。
従って、これらの刺激を求める気持ちが強すぎると病気を招いたりも
しますが、それを子供の時同様に拒絶し続けるのも、成長に疑問、
免疫力に疑問といったところなようです。