加賀百万石の名門・前田家を守るために前田利常が取ったユニークな作戦。 | 山科薫マニアックな世界を楽しみましょう

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7月21日の記事で、前田利家の妻・まつの立派な軍師ぶりもあって前田

利家が大いに豊臣秀吉の天下取りに貢献し、勢力を拡大したことを紹介

しました。


この前田家はその後、徳川家康にも大いに貢献したため、加賀百万石を

与えられるのですが、家康亡き後しばらくは、どうにも居心地の悪い日々

を送ります。それは、力を持った前田家がいつ謀反を起こすか、幕府がい

ずれも戦々恐々としていたからです。


特に、2代目と3代目将軍の、それぞれ秀忠に家光は、いずれも小心者で

した。従って利家の長男で2代目藩主の利長とその弟で3代目藩主の利常

は、しばしば徳川家の圧迫やいびりにあっていたようです。


そんな状況にしびれを切らした利常が思い切って取った作戦が、「バカの

フリ」でした。鼻毛を伸ばし放題。江戸屋敷に参上した際には、徹底して天然

ボケを装うといった形です。そうして、徳川家の警戒を解いていきました。


ただそんな中でも、独特の主張というか凄みは利かせたようです。たとえば、

江戸城内の敷地の片隅に、「立小便禁止。犯せば罰金・黄金一枚」と書かれ

た立て看板に向かって堂々と立小便をしました。その時の利家の言い分が、

奮っています。


「天下の大名がわずか黄金一枚を惜しんで小便を我慢するわけがない。バカ

にするな!」


まあ、立小便をしたことはともかく、この言っている内容は、何となく筋が通って

いるようでもあり、凄みも感じます。少なくとも、本物のバカでは、言えないと思

われます。


ということで、その後、立て看板から罰金の項目が、取り除かれました。すると

却って違反者が激減したそうです。


一方藩政においてはこの前田利常、治水や農政改革を積極的に行なうなど、

立派な殿様ぶりを発揮したそうです。まあ、バカのフリをすることで謀反の心配

がないことをアピールし、反面、所々に鋭さも見せつけて、怒らせると恐いこと

も匂わせる。素晴らしい作戦だと思います。


ところで、この前田家は、東大と縁があります。その辺は、明日書こうと思います。