私は、煙草を吸いません。やめたのではなく、健康を意識しているとか
いうのでもなく、体質的に受け付けないのです。若い、ヤンチャをしてい
た時、ふかしたことはあるのですが、むせるだけでなく、舌がヒリヒリし
て、麻痺したような感覚になりました。
役者をするようになり、ふてぶてしい役が多いせいか、よく煙草を吸う
シーンを与えられ、苦労した経験があります。今はどうにか、含むこと
ができるようになり、役として演じるのは問題なくなりました。ただ、社会
の煙草バッシングが盛んになり、煙草のシーンが極端に減りまして、少
し楽にはなりました。
ただ私の場合、あまり他人の喫煙は、気にならないのです。周囲が吸っ
ていても、辛いとはあまり思いません。だから、嫌煙権というのも、あまり
ピンと来ないんですね。
過剰に他人の喫煙を嫌がる人、すごく神経質な人を見ますが、ほぼ全員
が、かつて吸っていて、やめた人です。私のように、元々吸わない人は、
それほど強烈な拒否反応はしていないように見えます。
恐らく、煙のうまい避け方を知っているのだと思います。私の場合、亡父
はヘビースモーカーでしたから、小さい頃から避け方が身に着いていま
した。
ただ、それだけでない、或る気になる話も、目にしているのです。
煙草というのは、古代エジプトでもすでに出回っていたのですが、当時は
薬用でした。体に良いとされていたのです。
日本では、江戸時代に大流行していましたが、肺炎や結核(ろうがい)の
発生率(治癒率ではありません)は、さほどでなかったようなのです。
そして、『パワーかフォースか』という著書のあるデヴィッド・R・ホーキンズ
という博士が徹底して調べた結果、1957(昭和32)年に、製造過程で化
学物質が加えられるようになったというのです。
理由は、依存性や酒肴性を強くするため。要するに、後を引くような効果
を入れたというのです。一種の麻薬効果です。まあ、その方が、売れ行き
は倍増するでしょうからね。
もしかして、元ヘビースモーカーで現在吸わない人が煙草の猛烈な拒否
反応を示すのは、その化学物質に対する体の反作用なのではないか?
一瞬そう思ったのでした。