私は「けれんみ」が大好きです。 | 山科薫マニアックな世界を楽しみましょう

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野球で、小気味よいピッチングのことを、「けれんみのない投球」

と表現したりします。「けれんみのない」というのは、ほとんどの場合、

褒め言葉です。


この「けれんみ」という言葉を広辞苑で引くと、「俗受けを狙った嫌

らしさ」と出ます。マイナスイメージの強い言葉です。


しかし、この言葉、元々は「外連味」と書きまして、歌舞伎から来た

ものでした。宙吊りや早替わりなど、派手な演出方法を指して言う

ものなのです。


こういうやり方を、歌舞伎を芸術として崇め奉るお堅いファンはバカ

にした歴史があるため、「外連味」はマイナスの言葉として定着して

しまったのです。


しかし、歌舞伎そのものが、不良や変人を意味する「傾奇者(かぶき

もの)」を語源としているように、元々は「けれんみ」の芸だったのです。


他の世界でも、けれんみは、変化球のようなもので、それを廃して

しまったら、単なるバカ正直。面白みはありません。


芸能、芸術、スポーツ、いや、それらにとどまらず、世の中全てが、

個性派と正統派の切磋琢磨によって成り立つもの。異色、異能の

人間の存在なくして、社会は成り立ちません。そう断言できるでしょう。


従って、「けれんみ」を否定するのは、愚かな行為だと思います。私

は「けれんみ大好き人間」だし、私自身、けれんみを大事に出して

生きていきたいと思うわけです。