弁論大会で入賞していたジェームズ・ディーン | 山科薫マニアックな世界を楽しみましょう

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『エデンの東』や『理由なき反抗』などの名作を残して24歳でこの世

を去った、ジェームズ・ディーン。名前だけなら、今の10代の人でも

知っているという、永遠の二枚目スターです。


演じた役柄が、シャイで寡黙。顔も、どちらかというと、翳のある謎めい

た雰囲気。そして、薄明。


そんなことから、彼自身の実像も、物静かで口下手と考えている人

が多かったそうです。しかしそれは、寡黙を美徳とする日本の中途半端

に古き時代(江戸時代以前はそんなことがなかったことは明らかです)

の固定観念の産物でしかなかったようです。


ジェームズ・ディーンは、インディアナ州のフェアモント高校という所に

通っていた頃、州政府主催のスピーチコンテスト、日本でいう弁論大会

ですが、それで優勝し、全米大会でも6位に入賞しています。


彼は、口が達者で、明朗快活。賑やかな人だったそうです。そして高跳び

の高校新記録もつくっています。スポーツ万能でもあったのです。

実際の自分と違う性格を演じるのって、やはり彼にとっても俳優の醍醐味

だったんじゃないでしょうか。


日本でも、俳優じゃないけれど、全然寡黙じゃないのに寡黙で翳のある

イメージに誤解されていた人がいます。太宰治。


私は彼の『人間失格』を20歳の時に読みましたが、どこをどう読んでも、

悲劇ではなく喜劇にしか受け取れなかったです。何故なら、あの主人公

が本当に自分を人間失格と思っているわけないことが、見え見えだから。


言葉の表面では、自分を卑下していますが、でも「そんなところが大好き。

皆も、この気持ち、わかるだろう。憎めない、魅力的な男で、何となく応援

したくなるよな」といった意図が、しつこいくらいににじみ出ています。


これを書いた太宰治って、多分超ナルシストで、俺以上にやかましい奴

だろうな。そう読んで感じました。


そうしたら、底抜けに明るくておしゃべりな生前の太宰治の姿が、あちこち

で語られ始めました。また、『人間失格』を書いた後は、「こんなに自分を

おとしめた作品って、画期的だろ。すごいよな、俺って」と言ってはしゃぎ、

特にうるさかったということです。


自殺は、暗い人だけがするものとは限りません。また、寡黙は寡黙で良い

ですが、美化するのはどうかと思います。


まあとにかく、ジェームズ・ディーンのエピソードでした。