人間、誰でもスランプというものがあります。プロ野球が始まりまし
たが、スポーツ選手には特について廻るのがスランプでして、たとえ
タイトルを取った選手でも、シーズン中にちょっとしたスランプは経験
しているものです。
このスランプというのも、実は脳に関係しているのです。たとえば
野球の野手が打撃でスランプに陥った時、どうなっているかという
と、悪い打ち方が小脳に記憶されてしまい、それによって良い時の
打ち方が、一時的に小脳の記憶から除去されてしまっている。と
いうケースがほとんどなのです。
こういう時に一番いけないのは何かというと、やみくもに練習をして
しまうことだそうです。練習すればするほど、悪い打ち方が小脳に
浸み込んでしまうということです。
一番良いのは、休養を取ること。それによって、悪い打ち方を忘れさ
せるのだそうです。休むことで、脳の中の運動プログラムが整理され、
もっと良い状態のプログラムに変わっていくということです。
これ、スポーツだけに、止まらないかもしれませんね。植木等さんが
生前おっしゃっていたそうです。
「今はついてないなとか、何をやってもうまくいかないなんて思った
時は、スランプなんだから、無理に頑張って跳ね返そうなんて思わ
ないで、遊んでさぼればいいの。そうやって、リフレッシュするのが
一番」
これ、かつての自身の「無責任シリーズ」を意識したのではなく、大真面
目に説いたそうです。
確かに、人間、スランプで何をやってもついてない。うまくいかない。な
んて時は、運に背を向けるような悪い癖やパターンを小脳に記憶させ
てしまっているのかもしれませんね。だから、小脳から不運の記憶を
忘れさせるために遊ぶというのも、得策かもしれません。