私はかつて、ＡＶにも数百本出演した経験があります。そのせいでよく
訊かれるのが、「耳って、本当に、女の性感帯なの？」ということです。
「知らないよ。俺は、セックスを仕事にしてたわけじやなくて、演技して
ただけなんだから」と、正直に答えています。出演していたのは、ドラマ
仕立てのものばかり。女優さんを気持ちよくさせようとして絡みをした
ことはなく、気持ち良いフリをしやすいように演技でリードするのが仕事
だと思ってやっておりました。
とはいえ、そこはＡＶ。ピンク映画やＶシネマの絡みとは違って、たとえ
ドラマ仕立てとはいえ、絡みはリアルなわけでして、愛撫も本格的でし
た。だから、性感帯がどうとか、癖がどうとかいう話は、動きの中にも
会話の中にも出てきます。
そして、耳が性感帯の女性が多いと書いてあるハウツー本は、少なく
ないそうです。また、好きな男に愛撫された時限定と書かれている本
も、あるそうです。
経験からすると、これは何ともいえなかったです。確かに耳が好きとい
う人もいましたが、逆に大嫌いとはっきり言ってはばからない人も、複数
いました。相手が私だからじゃなくて、好きな男相手でも、その人たち
は、嫌だそうです。
そこで、色々メカニズムを調べてみました。すると、耳の知覚神経は、
延髄の「迷走神経」と呼ばれるものにつながっていて、そこから脊髄を
通じて股間の迷走神経につながっているそうなのです。
また、漢方医学によると、耳には多くのツボが集中していて、刺激される
と経絡を通じて各器官が反応するのだそうです。
従って、性的にも、それ以外に関しても、敏感なことは確かなようです。
ただ敏感ということは、良い反応だけじゃなくて、悪い反応も引き出す
わけです。だから、耳が性感帯の人もいれば、逆に殊の外嫌がる人も
出てくるわけです。また、「好きな人相手なら」という無難な言い方で濁
らすケースもあるわけです。
じゃあ、いざその場になった時どうするのか。そう訊きたくなると思います。
正直何とも言えませんが、悪い方で敏感な人は、すぐわかるはずなので、
さりげなく避けるべきだと思います。
そうでない人。敏感と聞くと、却って緊張してしまうかもしれません。ただ
ここで言えるのは、耳が敏感なのが、女性だけでないことです。さっき
説明した迷走神経や経絡との関係の話は、男女共通なのです。
だから、男性でも耳が気持ちの良いという人は沢山いるわけでして、そ
うなると、自分がされて気持ちの良い愛撫の仕方をすることから始める
のが一番ではないでしょうか。
そういえば、今年の酷寒の冬、まず耳が痛くて仕方ない日が多かった
ですね。ずっと揉むかつねるかしていないと耐えられない日が。やはり
あれは、経絡や迷走神経がつながっているからなのでしょう。