いつもと違う気配に目を覚ます。暗がりに目を凝らすと、隣でこちらに背を向けるようにして丸まっている君の肩が震えているように見えた。
そういえば、今日は何だか少し元気がなかったような気がする。君はいつもぎりぎりまで我慢して、何も言わないから。きっと、また何か辛いことがあったんだね。
…何の力にもなれないのかな。君がいたから、いつも自分は自分のままでいられた。周りに合わせようと頑張ることに諦めていた僕に、『ありのままでいい』ことを教えてくれた君。そんな君に、僕は何もしてあげられないのかな。
手を伸ばして細い肩を抱きしめると、君は少し驚いたように体を震わせて。そして、涙にぬれた顔をぬぐってゆっくりとこちらを向く。
「起こしちゃった…?」
二人暮らしなのに深夜を気遣って小声で尋ねる君。それがなんだか少し可笑しくて愛おしい。
「何かあった?」
「ん、なんでも…。ごめん、大丈夫だから」
君は予想通りの答えを口にして、僕にそっと身を預ける。ああ、やっぱり。君はとても頑張り屋だから、そうしてすべて一人で抱え込んでしまう。でも、僕が君にできることと言えばこうして一人声を殺して泣く君を抱きしめてあげることくらい。
ならせめて、君が眠りにつくまでこうして君を抱きしめていよう。少しでも君の心が軽くなるように。少しでも、僕が君の力になれますように。
そんなことを願いながら眠りに落ちたせいか、とても不思議な夢を見た。
どこまでも続く青い空の下、僕は自由に飛び回れる鳥で。隣を見ると、君が楽しそうに羽ばたいている。空は果てしなく広く、抜けるように青く。悲しいことやつらい事なんて何もなくて、僕らはひたすらに自由で。どこまでも、どこまでも。二人で羽ばたいていける。
僕は尋ねる。どこへ行こうか、と。
君は笑って答える。どこへでも、一緒に、と。
そして僕らは風に乗って、どこまでもどこまでも、羽ばたいて――。
不思議と幸福で高揚感に包まれた夢から覚めると、傍らにはやっぱり君が眠っていて。目じりにうっすらと涙の跡を残したままの君が、幸せそうに微笑んでいた。
君も、同じ夢を見ているのだったらいいな。ささやかに願いながら、僕は再びあの夢の中へと落ちて行った。
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こもりんっぽくないけど、一応こもりんです(^▽^;)
東北なまりじゃないのは、はばたき市に長く在住して抜けたんです、きっと!w
何はともあれ、こもりんお誕生日おめでとう!