桜と氷上くん | やさしい時間

やさしい時間

ときメモGSの妄想小説です。

ネタバレなSSもアリ。
一部限定公開もアリですのでご注意を……。

【桜の花びら】


氷上 好き以上
3年目の4月上旬に発生


―下校時―


デ「あ、氷上くん!今帰り?」
氷「ああ。君もかい?」
デ「うん。良かったら、おしゃべりしながら一緒に帰らない?」
氷「さては自転車のかごにかばんを入れるつもりだな?いいだろう」
デ「わーい」


デ「すっかり春だねぇ…」
氷「ああ、見事な桜並木だ。今週末あたりが見ごろだろうな」
デ「そうだね。今が6分…7分咲きくらい?ね、氷上くん。森林公園に寄り道して帰ろうよ」
氷「下校時の寄り道は校則で禁止されている。…だが、そうだな。勉強に疲れた頭をリフレッシュして帰るのもいいだろう」
デ「やった!」


―森林公園―


デ「わぁ…。綺麗だね」
氷「ああ。今、ちょうど7分咲きと言ったところだろう。やはり見頃は今週末あたりだろうな」
デ「私、これくらいの開き加減の方が好きなんだ」
氷「え、それはどうしてだい?」
デ「満開の桜も綺麗だけど、風や雨ですぐに散っちゃうでしょう?桜吹雪も綺麗だけど、今ぐらいの『あと少しで満開だ』ていうワクワク感が好きなの」
氷「はは。いかにも君らしい意見だな」
デ「う…。じゃあ、氷上くんは満開の桜の方が好き?」
氷「僕かい?そうだな…。(小声で)今、君とこうして見ている桜が一番…」
デ「氷上くん?」
氷「い、いや。何でもない。それより、あちらの方にすでに満開になっている木があるようだ。行ってみよう」
デ「うん!」

氷「見事なものだな」
デ「うん、すごくキレイ。…桜の花って、見てると何だかちょっと寂しくなってきちゃうよね」
氷「どうしてだい?」
デ「だって…。卒業が近づいて来てるんだなぁって思って…」
氷「そうか。僕らも最終学年だからね」
デ「こうやって氷上くんと寄り道しながら帰れるのも、あと1年なんだね」
氷「ああ。君と高校生活を過ごせるのも後1年か…。君には、本当に色々な事を教わったよ」
デ「え?」
氷「今から思うと、中学の頃の僕は周りの事を全く考えずに、自分の考えだけを押し付けていたんだな。それでは周りから敬遠されても仕方がない。…それに気づかせてくれたのは、君だ」
デ「氷上くん…」
氷「時には、妥協も必要なのだと言うことを教えてくれた。…そう、たとえば今のように、たまには寄り道して帰ることとかね」
デ「もう!氷上くん!」
氷「ははは。冗談だ。あ……」
デ「?」
氷「風で舞った花びらが、君の頭に…。少し、じっとしていてくれるかい?」
デ「う、うん」


 デイジーの髪についた花びらを取る氷上のスチル発生:タッチ可


氷「…君の髪は、とてもサラサラしていて柔らかいんだな」
デ「え…?」
氷「君は本当に僕に色んな事を教えてくれた。少し触れただけなのに、こんなにも胸が締め付けられる。こんな感情が僕にもあったなんて…」


 スチル終了


デ「氷上くん?」
氷「あ、いや!な、何でもない!さあ、そろそろ帰ろう」
デ(氷上くん、さっき何て言ったんだろう…?)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


久々に妄想トピ用に書いたSS。


久しぶりすぎて…妄想トピ用SSの書き方を忘れかけてました( ̄Д ̄;;

構想自体はけっこう前からあったのに、やっつけで書いちゃったからイマイチ納得できてない仕上がり。

でも、もうどこをどう直したらいいかも分からない…(>_<)


ごめんよ、氷上くん。その内ちゃんとリベンジします。